一番の相続対策は「家族で話すこと」
「兄弟仲が良いから、相続で揉めることはない。」
そう思っている方も多いかもしれません。
しかし、相続の現場では、兄弟姉妹の仲が悪いから揉めるのではなく、それぞれが「自分は公平に扱われていない」と感じることで、話し合いが難しくなることがあります。
相続は、財産だけでなく、長年の家族関係や感情まで表面に出てくる場面なのです。
自分は公平に扱われていない
兄弟姉妹には、それぞれ違った人生があります。
実家の近くに住み、親の病院への付き添いや介護をしてきた子。
遠方に住んでいて、なかなか親の面倒を見ることができなかった子。
親と同居していた子もいれば、長年離れて暮らしていた子もいます。
それぞれに事情があるため、「公平」という言葉の意味も変わってきます。
「法定相続分どおりに分ければ公平」と考える人もいれば、
「自分は親の面倒を見てきたのだから、それを考えてほしい」
と考える人もいます。
つまり、法律上の公平と、家族が感じる公平は、必ずしも同じではありません。
それぞれの言い分
例えば、父親が亡くなり、長男と次男が相続人になったとします。
長男は実家の近くに住み、父親の通院の付き添いや日々の生活の世話をしてきました。
一方、次男は遠方に住んでいたため、直接介護することはできませんでした。
相続が始まり、財産を半分ずつ分ける話になったとき、長男が、
「自分は何年も父の面倒を見てきたのに、何も考慮されないの?」
と感じるかもしれません。
反対に、次男からすれば、
「兄が面倒を見てくれたことには感謝している。でも、財産を兄だけ多くするのは納得できない。」
という思いがあるかもしれません。
どちらが正しいという単純な話ではありません。
それぞれに、それぞれの言い分があるのです。
家族それぞれの気持ち
相続で大切なのは、法律上の権利だけでなく、家族それぞれの気持ちにも目を向けることです。
そのためには、相続が始まってから話し合うのではなく、できれば親が元気なうちに、
「自分が亡くなった後、この家はどうしてほしい」
「兄弟には仲良くしてほしい」
「財産はこうしてほしい」
という親の思いを家族に伝えておくことが大切です。
相続は、財産を分ける手続きであると同時に、家族の思いを引き継ぐ機会でもあります。
「誰がいくらもらうか」だけではなく、「なぜそうしたいのか」まで家族で話しておくこと。
それが、兄弟姉妹の相続トラブルを防ぐための大切な準備なのです。
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岡崎総合会計事務所
税理士 岡崎俊視


