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事業計画と運用に関する3つのルール!

2018年9月12日

テーマ:経営

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 事業計画 立て方

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『事業計画と運用に関する3つのルール!』
□1:当初の計画にとらわれ過ぎない経営を!
              (ヘンリー・ミンツバーグ氏)
□2:投資・費用と売上の複雑な関係!
□3:コントロールするのか?適合するのか?
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■1:当初の計画にとらわれ過ぎない経営を!
              (ヘンリー・ミンツバーグ氏)

『現実的には、ある程度先を考えておきながら適時対応してい
くことになるだろう。実現された戦略は最初から明確に意図し
たものではなく、行動の一つひとつが集積され、その都度学習
する過程で戦略の一貫性やパターンが形成される。』
(ヘンリー・ミンツバーグ氏)

計画がなければ始められません。進むべき大体の方向、道しる
べが必要です。また、どれぐらいのペースで進めば、主に資金
が足りるのか、一つの基準としても計画は有効です。一方、近
未来を完全に予見できる程の知見を持ち合わせている人は稀有
です。また、日々の経験と成長は、新しい気付きをもたらしま
す。当初計画へ固持し過ぎると、新しい気付きを反映できなく
なります。計画を立案してその執行に邁進することのリスクを
肝に銘じるべきです。計画の必要性を認識しながらも、当初の
計画にとらわれ過ぎない経営が必要です。ヘンリー・ミンツバ
ーグ教授のメッセージを、再度ご確認ください。

■2:投資・費用と売上の複雑な関係!

経営の最終目標は、売上高・粗利益率・販管費のすべての項目
を確実にコントロールすることです。これができれば、結果と
して望む利益も創出できます。

◆ただ、これらの指標は、それらが複雑に絡み合っているので
厄介です。
例えば…
・売上を上げようとすると、販促費(販管費)が膨らむ。
・一方、販促費(販管費)を投入しても、予定通り売上が増え
 るわけではない。
・割引をして粗利益率を落とすと売上が増えることがある。
・ただ、売上が増えても、粗利益の総額(売上×粗利益率)が
 増えないこともある。
・逆に、値上げをすることで、売上が増えることもある。
・営業人員(販管費)を増やせば売上が増えるはずである。
・ただ、人件費(販管費)の増加分を賄えないこともある。
・旅費交通費(販管費)を減らせば、売上が落ちることがある。
・開発費(販管費)を増やせば、将来の売上は増えるはずだ。
・ただ、将来とはいつなのか、また、どれぐらいなのか予見し
 にくい。

◆また、投資と成果には時間差が出ることも問題を厄介にして
います。
例えば…
・販促費(販管費)の投入と売上の増加には、タイムラグが発
 生する。
・営業人員(販管費)の投入と売上の増加には、さらに大きな
 タイムラグが発生する。
・開発費(販管費)の投入と売上の増加には、相当長期のタイ
 ムラグが発生する。

◆本来コントロールできるはずの、単独の販管費項目ですら見
込み違いが発生します。
例えば…
・人件費(販管費)に想定外の時間外手当が発生して止まらない。
・採用がうまく進まず、採用コスト(販管費)が膨らんだ。
・投資(販管費)が計画を大きく上回ってしまった。
・原価の高騰で粗利益率が下がってしまった。
だから経営とは面白くもあり辛くもありますが、社長という道
を選んだのなら、楽しみながら取り組みたいものです。

長い時間を経て、経営管理体制を構築して、安定した業績を出
せている会社は、様々な指標が、結果として適正にコントロー
ルされています。
一方、新規事業の立ち上げ、創業は、少なくない割合でうまく
いきません。「新規事業や創業事業計画を鵜呑みにしてはいけ
ません。」とお伝えするのはこのためです。

■3:コントロールするのか?適合するのか?

○経営の対象には…
◆1:コントロールできる事
◆2:頑張ればコントロールできる事
◆3:コントロールできない事
の三つがあります。

○経営を安定・成長させるためには…
◆1:コントロールできる事を完全にコントロールする事
◆2:頑張ればコントロールできる事をできるだけコントロー
   ルする事
◆3:コントロールできない事には、できるだけ適合する事
※特に、時流には積極的に身を預けるぐらい適合する事が重要
です。絶対に逆らってはいけません。

コントロールできる事をコントロールしない事を『放漫経営』
と呼びます。
頑張ればコントロールできる事をコントロールしない事を
『怠慢経営』と呼びます。
コントロールできない事をコントロールしようとする事を
『独り善がり経営』と呼びます。
さらに、時流に逆らう経営は『最も愚かな経営』です。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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