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『経営の生産性向上のためには、まず止める・減らす!』

2016年1月14日

テーマ:経営

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 生産性向上 取り組み

■以下のような仮説を持っています。

『会社(そもそも世の中)の諸々はすべて、時間の経過ととも
に複雑な方向に、増える方向に動きます。世の中のベクトルは
複雑化・増加であって、単純化・減少ではありません。従って、
自然に物が増え、書類が増え、手続きが複雑になり…高コスト
になります。品揃えが増え、在庫が増え…総花的になります。
弱くなります。人は仕事が増え(自らが増やし)…多忙になり
ます。故に、強烈に意識しない限り、会社はややこしくなりま
す。弱くなります。』

■原因を究明しましょう。

○増え続ける理由は、始めることより、止めることの方がはる
かに難しいからです。新商品や新サービスを発売することは簡
単です。前向きな行為だからです。逆に、既存の商品やサービ
スを打ち切ることは難解です。抵抗勢力が出現するからです。
・既存の商品やサービスを利用する一部の顧客を例に挙げて、
 その顧客の不利益に固辞します。
・部分利益が全体利益を凌駕します。
商品やサービスに限らず、止めてしまうこと・減らすことが一
番の業務改善です。
止めて・減らした余力が、次の活力の源になります。

●既存の商品やサービスを30%減らす…不可能でしょうか?
「パレートの法則」などを活用して、取り組んでみませんか。
「パレートの法則(パレートのほうそく)は、イタリアの経済
学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、
全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生
み出しているという理論。80:20の法則、ばらつきの法則と
も呼ばれる。」
(ウィキペディアから引用させていただきました。)

○仕事が多忙化する理由は、業務改善が不十分だからです。今
の業務には本来の目的が有って、その業務は目的達成のための
手段です。ところが、いつからかその手段自体が目的化してし
まいます。
・(例えば)顧客を訪問することは目的ではありません。情報
 を伝えたり・販売したり…が目的です。情報伝達インフラが
 進化しても、あくまでも訪問に過度にこだわり続ける営業マ
 ンは少なくありません。
・訪問を半分に減らして、その時間を業務に充当し、進化した
 情報インフラを有効活用すれば対応できるはずです。
 余分なことを止めてしまうことが一番の業務改善です。
 止めて・減らした余力が、次の活力の源になります。

●既存の業務時間を30%減らす…不可能でしょうか?重要度
の低い業務、置き換えられる業務、成果の曖昧な業務を対象に、
業務の棚卸を行ってください。

○社長も同じです。無駄な時間を取り除いて、本来の経営者と
しての時間を確保しましょう。どうでもいいことに関わらない
事、コントロールできない事や不得手な事に時間を費やさない
ようにしましょう。
・お付合いに、過度な時間を費やさないようにしましょう。
 (脱・お人好し。)
・政治や経済情報(コントロールできない事)に過敏になりす
 ぎないようにしましょう。
・財務や管理が苦手なら、自分一人で悩まず専門家に任せまし
 ょう。
 止めて・減らした余力が、次の活力の源になります。

●既存の執務時間を30%減らす…不可能でしょうか?
過去1か月間の手帳を紐解いて、無駄な時間を探してください。
明日からに活かしてください。

■限られた経営資源で業績を維持・向上させるためには、経営
資源の適切な配分や生産性の向上が必要です。また、生産性の
向上を図るためには、諸々取り組んでいることの業務効率を上
げることも当然必要ではありますが、そもそも余分な業務を行
わないことや、方法を抜本的に見直すことが重要です。

(多くの人が)考える対象が多すぎて、頭の中が飽和していま
す。やるべきことが多すぎて、時間に余裕がありません。
思い切って、考えるべき対象とやるべき事柄を減らしましょう。
目標は30%です。改善することより、まず止めることを探し
ましょう。
空いた30%で、よく考えながら、創造と改革に励みましょう。

この機会に、ご一考いただければ幸いです。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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