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3Dプリンターを用いて精密部品の試作事業を行う場合の注意点

2024年6月17日

テーマ:中小製造業の生き残り策

コラムカテゴリ:ビジネス

3Dプリンターを用いて精密部品の試作を行う際には、いくつかの注意点があります。
以下に詳細を説明します。
 ★3Dプリンタ比較サイト

1. 材料選択と精度
3Dプリンターは様々な材料で部品を製造できますが、材料の選択は重要です。精密部品
を作成する場合、高精度で耐久性のある材料を選ぶ必要があります。近年の3Dプリンタ
ーは滑らかで強い材料も提供しており、UL認可された成形材料を使用することで精度の
高い試作が可能です.

2. 設計とサポート構造
部品の設計には3Dプリンターの特性を考慮する必要があります。オーバーハングや細部
のサポート構造を適切に設計することで、部品の精度を向上させます。

3.層厚と解像度
3Dプリンターの層厚と解像度は部品の精度に影響します。細かい部分を再現するために
適切な設定を選択しましょう。

4. 後処理と仕上げ
3Dプリントされた部品は通常表面に積層痕が残ります。必要に応じて切削加工や仕上げ
加工を行い、精度を高めましょう.
その場合、サンディング、塗装、アセトン処理などを行います。

5. 試作サイクルとフィードバック
3Dプリンターを活用した試作は迅速に行えるため、設計の検証や改善を短期間で行えます。
顧客や関係者とのコミュニケーションを通じてフィードバックを収集し、部品の最終的な
品質向上に役立てましょう。

総じて、3Dプリンターを用いた精密部品の試作は、効率的で柔軟性のある方法であり、
適切な注意を払いながら進めることが重要です。

3Dプリンタで試作サービスを提供しているいくつかの企業を以下に紹介します。
1. SOLIZE
SOLIZEは、3Dプリンターをはじめとするあらゆる工法でお客様の開発や試作を一貫して
サポートしています。高精度なハイエンド3Dプリンターを保有し、国内最大級のキャパ
シティで短納期で対応できます。自動車メーカー向けの最終製品パーツの供給実績もあり
ます.

2. アリエル株式会社
アリエルは3Dプリンターの製作依頼や光造形、マシニング機械加工などを行っています.

3. 原製作所
原製作所は、3Dスキャンから3Dプリントまで幅広い試作・造形サービスを提供しています.

これらの企業は、部品の設計から製造、二次加工まで一貫してサポートしており、お客様
のニーズに合わせて柔軟に対応しています。

用語解説
1.オーバーハング
オーバーハングは、部品の垂直方向に対して横方向に突き出た部分を指します。3Dプリン
ターは層ごとに部品を積み重ねて作成するため、オーバーハングがある場合、下の層が支
えなしで作成されることになります。
オーバーハングが大きいと、部品の形状が歪む可能性があります。適切な角度でオーバー
ハングを設計することで、部品の精度を向上させます。
サポート構造を使用して、オーバーハング部分を支えることが一般的です。

2.サポート構造
サポート構造は、部品の中でオーバーハングや細部を支えるために追加される部分です。
サポート構造は、3Dプリンターが部品を作成する際に一時的に使用され、後で取り外され
ます。
サポート構造は、部品の下部に追加され、オーバーハング部分をサポートします。これに
より、部品が正確な形状で作成されます。

3.サンディング (研磨)仕上げ
表面の積層痕を取り除くために、サンドペーパーや研磨材を使用します。
粗い研磨から始めて、段階的に細かい研磨を行い、滑らかな表面を作ります。

4.塗装
部品の外観を向上させるために、塗装を施します。
プライマーを塗布してから、選んだ塗料で部品を塗ります。

5.アセトン処理
アセトンはABSプラスチックの表面を滑らかにするのに効果的です。
アセトンを蒸気で部品にかけるか、アセトンを含ませた布で拭くことで、表面を均一に
仕上げます。

6.ポストカリング (光造形プリントの場合)
光造形プリンターで作成された部品は、紫外線で硬化する樹脂を使用しています。
未硬化の樹脂を洗浄し、紫外線照射で完全に硬化させることで、部品の表面を滑らかに
仕上げます。

7.サポート構造の除去
サポート構造は、部品の製造中に一時的に追加されるものです。
部品が完成したら、サポート構造を取り外します。
これらの注意点を考慮して、3Dプリントされた部品を美しく仕上げることができます。

3Dプリンターを選定する際の注意点を以下にまとめてみました。
これらのポイントを考慮することで、適切な3Dプリンターを選ぶ手助けになるでしょう。

1. 造形方式の選定
3Dプリンターはさまざまな造形方式で動作します。FDM(熱溶解積層法)や光造形法
などがあります。用途に合った方式を選ぶことが重要です。
FDMは固形材料を熱で溶かして積層する方式で、光造形法は紫外線で液体材料を硬化
させて積層します。

2.材料の選定
3Dプリンターはさまざまな材料で部品を作成できます。使用する材料によって特性が異
なりますので、求める特性に合った材料を選ぶ必要があります。

3. プリントする点数やサイズ
一度にプリントできる部品の点数やサイズを考慮しましょう。大きな部品を作成する
場合は、対応できるプリンターを選びましょう。

4. 専用ソフトウェアの確認
3Dプリンターには専用のスライサーソフトウェアが必要です。使用するソフトウェアの
タイプや機能を確認しましょう。

5. 投資対効果 (ROI) の算出
3Dプリンターの導入にはコストがかかります。投資対効果を計算し、経済的な判断を
行いましょう。

6. 必要なスキル
3Dプリンターを使いこなすためには、モデリングソフトウェアやスライサーソフトウェ
アの操作スキルが必要です。自身のスキルに合ったプリンターを選びましょう。

以上のポイントを考慮して、3Dプリンターを選定する際に失敗しないようにしましょう。
もしさらなる詳細が必要であれば、具体的なプリンターの比較や材料の特性などを調査
してみてください。
 ★3Dプリンタ選定の参考となるサイト

この記事を書いたプロ

濱田金男

ものづくり現場の品質管理、人材育成のプロ

濱田金男(合同会社高崎ものづくり技術研究所)

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