人が育つ言葉
話し合いの場を設けて、合意を得たから、すんなりと事が進むかと思っていても、うまく進まないと思った経験はないでしょうか。
資料作成でも分担して決めたはずなのに重複した資料があります。
配布をお願いした文書が配布されていない事があります。
伝言をお願いしたにも関わらず、伝わっていなかった事があります。
こちらの思い通りに動いてもらえず、相手を責める事になりかねません。
悪意があっての状況ではないとしても、このようなことは日常生活には、普通に起きている事で、特別なことではないと考えた方がよいかもしれません。
このようなミスコミュニケーションは、扱う言葉が、一人ひとりの体験経験から作り出されたものだからです。
山を想像する時に、地元の山をイメージする方もいれば、富士山をイメージする人がいます。
単語1つでも違うと言う事です。
相手の言葉を受け取った時、相手の言葉をそのまま受け取る事ができず、一旦自分の頭の中にある言葉を持ち出して、自分の言葉に置き換えます。
置き換えた時点で、相手から離れて自分の世界で解釈が始まります。
自分の言葉にかかわる自分の体験経験をイメージしてしまいます。
言い換えると、これは歪曲したことになります。
脳は単純にする方向に働くため、歪曲だけでなく、省略、一般化が起こります。
そのため、自分の都合のよいように受け止める事になります。
ここに話し手と聞き手のズレが生まれます。
ですから、伝わらなくてイラッして相手を責めたくなることもありますが、相手の背景を理解するチャンスと捉える事ができます。
でも、ちょと私には広い心が必要かなと思います。