教職員の働き方は、他人事ではない

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 国が残業の上限として示している月45時間を超えるとみられる教員が、中学校の77.1%、小学校の64.5%に上ることが分かりました。

 この事実の受け止め方は、様々ですが、この現実の中でも仕事をし続ける教職員の方々には、敬意を評したいと思います。

 教職員の仕事は、多岐に渡り、時代の変化とともに、負担も大きくなってきています。
 
 過労死を心配される中でも仕事をやり続ける裏には、使命感に燃える強い意志が働いている事が考えられます。
 
 これには、感謝しかありません。

 「教育は人なり」と言われるように、育てる人の質が低下すれば、育てられる人の質の低下につながります。
 
 稲盛和夫さんや千玄室さんはじめ、多くの「自分が信じる道を極めようと努力している人」は、時間を惜しむ事なく働いてきた事は、多くの本で紹介されています。

 質を下げないための教職員の方々の研鑽が、今の状況を作り出しているとすれば、有り難い事です。

 私は、多くの負担を教職員にかけていることを社会全体で受け止め、負担を軽減する努力が、急務だと思います。

 日本の経済の発展も大事ですが、それ以上に日本の教育の発展が、日本の未来を築く上で重要ではないかと思います。

 もっと教育に目を向けて、教職員が、働きやすく、働き甲斐をもって活動できるように支援の輪を広げる事が重要だと思います。

 学校教育だけでなく、社会教育、家庭教育のそれぞれの分野で、できる事があります。

 子どもが育つ場、全てで支援をしていかなければ、学校教育の負担が増えるばかりです。
 
 目先の利害に振り回されていれば、目先の利害に振り回される子どもが育ちます。
 つながりが薄くなれば、つながりが薄い子どもが育ちます。

 子どもは環境の影響を受けやすく、子どもの姿は、社会の反映と考える事ができます。

 病んでいる子どもを生み出す社会に目を向けると、家庭や地域で子どもたちと一緒に生活する私たちにできる事が見えてきます。

 学校を受け皿に教職員の負担をこれ以上増やさないようにしなければなりません。

 社会の一員として、何をする事が、学校教育を支え、教職員の負担軽減につながる事になるのか、考える事ができます。

 教職員の働き方を行政の問題と、他人事にしているうちは、教職員の働き方改革は、進まないと思います。

 私たち一人ひとりの生き方が、未来を築く子どもたちに影響を与えている事を自覚して、生活する事が、教職員の負担軽減の手助けになります。

 子どもに夢と希望を与える生活をする。
 子どもが安心安全を感じる生活をする。
 子どもの言動を見守り、成長を促す働きかけをする。
 子どもが憧れる生き方をする。           など

 子どもたちが健全に育つ家庭や地域にする事(病んでいる子どもを少なくする社会を築くこと)が私たちにできる事だと思います。

 つまり、子どもと関わる一瞬一瞬の働きかけが、教職員の負担軽減に役立つ大きな力になります。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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