多様性を受け入れる
なかなか会が進まないなと思う事が、新年度になって多くなりました。
その原因を探っていくと、新しいメンバーの多さが原因だと言う事に気づきました。
これまで積み上げた内容を十分理解されていないために、疑問を持たれる事が多くあります。
そのため、出された疑問を一つ一つ解決しながら、前に進む事になります。
全てを理解した上で前に進めようと思うと、出される疑問を全て解決しなければ、前に進められない事になってしまいます。
「全てを理解した上で進める事」・・・・これは無理です。
これまでの積み上げは、多くの体験から作り上げられています。
体験は、私たちの五感情報(見たり、聞いたり、感じたりして得た情報)で成り立っています。
この体験は、言葉で伝える事はできません。
例えば、ペットボトルに入ったお茶を考えてみます。
ペットボトルに入って緑の液体を私たちは直ぐにお茶だと分かります。
しかし、誰でもお茶だとわかるかといえばそうではありません。
私が幼い頃には、ペットボトルそのものがなく、お茶を買うと言う習慣がありませんでした。
お茶は、茶葉をお湯に潜らせて作るものでしたから、その時代の人にとっては、全く理解できません。
また、お茶を飲む習慣のない外国人が、緑の液体を見て、これがお茶だと言い当てる事はできません。
日本語が読めない外国人も同様です。
お茶を飲んだ人だけが、お茶を知る事ができます。
お茶の匂いや味などとともに、容器や容器に入った緑色の液体をお茶だと理解する事ができます。
これと同じ事が、新しいメンバーの方々の頭ので起きている事がわかります。
いくら言葉を駆使して伝えても、伝え切る事はできません。
このようにと考えると、体験していない新しいメンバーの方々の体験を伝える事はできない事が分かります。
それでは、前に進められないかといえば、そうではありません。
体験のレベルでは、異なっていても、抽象度を上げていくと、理解できる事が見えてきます。
例えば、
第三月曜日朝に地域住民が校門の前で挨拶をする・・・現実レベル
住民が参加する挨拶運動を行なう・・・・・・・・・・抽象度1
多くの住民の挨拶の習慣を身につける・・・・・・・・抽象度2
挨拶運動を通して住民のつながりを強くする・・・・・抽象度3
このように考えると、目標・目的の理解がとても重要になってきます。
新しいメンバーの方には、最低限の内容を伝え、「何のための活動か」を理解していただくことができれば、一緒に活動を進める事ができます。
そして、体験しながら、少しずつ内容を理解を深めていただくように進めていく事ができれば、何とか前に進められそうです。
「郷にいれば郷に従え」とは、まさにこの事だろうと思いました。
新メンバーの方々が、これまで培った価値観から生まれてくる疑問を取り上げる事は、新しいメンバーを大切にすることのはなりますが、内容を理解していただくためには、まず体験してもらう事しかないように思います。
目的目標を理解していただき、取り組む内容が、目的目標に合っているかを体験を通して、感じていただくことが大事なように思います。
そして、体験を通して生まれてきた疑問を、一緒に歩む仲間の疑問として真摯に受け止め、一緒に解決に向かう事が、活動の発展になるように思います。
行き詰まった感じがしていましたが、落ち着いて整理してみると、改善の方向が見え、明かりが差してきた感じがしました。
仕切り直して、頑張ろうと思います。