思考の使い道
思いが伝わらなくて、不満が溜まると、つい愚痴をこぼしたくなります。
これは、ダムに貯めた水を放水するようなものです。
少しずつ放水していれば、流域に被害を及ぼす事はなく(不満を受け取ることができても)、一度に大量の水(不満)が流されると、流域に被害を及ぼす事になります。
愚痴をこぼす事は、このように不満を吐き出す側とそれを受け取る側の心の持ち方で成り立っていると考えることができます。
そのことがわかっているからと言って、相手に迷惑をかけたくないと思い、不満をためていると、ダムそのもの(心)を壊してしまう事になります。
少なくとも、愚痴をこぼせる相手がいる事は、幸せなことだと思います。
言い換えると、愚痴を溜めたり、吐き出したりする仕組みが私たちの心にあり、それを上手く利用する事が大事だと思います。
愚痴をこぼせる相手を作る事
愚痴のこぼし方を考える事
これに加え、この愚痴をこぼしたくなる不満そのものを考える事も、不満の解消に役に立ちます。
不満は、出来事を捉えた自分の見方・考え方(価値観)が作り出しています。それは、同じ出来事でも、不満を抱える人もいれば、それ程不満にならない人もいることからもわかります。
見方・考え方(価値観)は、過去の体験や経験によって身につけたものです。
そして、そのものが刺激を受けて、不満に伴う嫌な感情が、ダムの水のように心に貯まったと考えることができます。
つまり、価値観を緩めれば、不満そのものが緩むという事です。
不満を抱かせた対象に焦点を当てるのではなく、不満を抱いた自分に焦点を当てます。
「不満が現れた時のこの感情と同じような感情が湧き上がった体験をいつ、どこで味わっただろう。」
と、過去を振り返り、同じ感情を味わった体験経験を探してみます。
不思議と1つや2つ見つけることができます。
そして、「こんな時に不満を感じる自分なんだ。」
と、気づくことができます。
自分の癖だとわかれば、不満が現れるたびに気がかりになり、意識する機会が増え、次第に緩んでいきます。
すぐには、不満を解消する事にはなりませんが、
ただ、対象から離れて自分に焦点を当てた時点から、不満を抱いたときの感情は、すでに緩んでいるはずです。
愚痴をこぼすだけでは、同じ事を繰り返すことになり、ますます愚痴をこぼす行動が強化されます。
焦点を対象から自分にするだけで、この流れを食い止めることができます。
愚痴をこぼしたくなった時こそ、自分を見つめるよい機会が生まれたと、考えてみてはいかがでしょう?