ひきこもりに思う
新しい事業を提案しよう文書を作りました。そして、原案を見せて意見を聞くと、肯定的な意見から否定的な意見まで、さまざまな反応がありました。
これなら誰もが納得してくれるだろうと知恵を絞って考え抜いた原案ですから、否定的な意見を伺うとショックを受けます。
人によって捉え方が違うことは当たり前なのに、なぜショックを受けるのでしょう。
これは、我が子が怪我をした時に、子どもと同じように痛みを感じる親の気持ちに似ています。
愛情を込めて育てた我が子と自分を同一化して、自分の分身のようになっている我が子の痛みを自分の痛みのように感じてしまいます。
作った資料も同様で、考え抜いた原案が、自分の分身のようになっているため、否定的な意見をもらうと、自分が否定されたような気分になり、ショックを受ける事になります。
似たような事は、日常的に私たちも経験しています。
・新調したばかりの服を汚してしまった。
・新車を傷つけられた。
・新築ばかりの家に落書きされた。
・買ったばかりの文房具を自分が使う前に他人に使われてしまった。
思い入れが強い分ショックが大きくなります。
感情が動くため、強い反応になります。
過剰な反応をし、冷静な判断ができなくなるとストレスを抱えたり、トラブルになったりする事になります。
これを解決するためには、自分と対象を分ける事が必要です。
分けるというのは、
「対象は、自分ではない。」
と、対象から離れて見る事になります。
・新調した服であれば、自分が着ている服ではなく、他人が着ている服のように眺めます。
・新車であれば、他人の車のように眺めます。
・新築の家であれば、他人が住む家のように眺めます。
・買ったばかりの文房具であれば、他人が買った文房具のように眺めます。
このように眺める事ができれば、冷静な判断ができます。
今回の資料であれば、否定した人に反感をもったり、説得しようと働きかけたりするのではなく、相手の立場を考え、どこに否定される原因があるのかを冷静に捉え、その原因を解決するための対策を考える事になります。
すぐに反応するのではなく、少し時間をおく事も、冷静な判断をする事ができます。
悪意があっての出来事でなければ、感情的にならず、冷静に判断することで、ストレスやトラブルを生むリスクを減らす事ができます。
感情をコントロールするためには、「対象から離れて眺める」ことから始まります。
これも意識しないとすぐに感情に乗っ取られてしまいます。
用心、用心。