全力で走り続ける

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 今年もいよいよ残すところ1日となりました。今年一年を振り返る機会になります。

 時間は、誰にでも平等に与えられていますが、その使い方は、十人十色です。

 有意義な時間を過ごしたと感じることもあれば、無駄な時間を過ごしたと感じることもありますが、この頃は、どの時間も有意義なんだと思う事が増えてきました。

 昨日、現在京都大学ips細胞研究財団理事長をされている山中伸弥さんが、稲盛和夫さんと対談した時を回想された記事を読みました。

 私の思いを裏付けになる記事でした。

 山中さんが、
「途中で息切れしないように、ペース配分を考えて毎日頑張っています。」
と話すと、稲盛さんが、
「僕は、走りきれなくてもいい、最初から数キロだけでも一流選手に伍していこうという思いで、常に全力疾走してきました。周りは、いつまで続くかと見ていたでしょうが、走っているうちにそれが自分の習い性となり、今日まで続いている。最初から全力で走ろうと決めて、必死になって先頭集団に追いつこうと意気込んで走り続けてきたからこそ、実を結んだと思っています。」
と、答えられたそうです。

 必死に走っている時には、きっと無駄な時間はなく、全てを肥やしにしているのではないかと思いました。
 無駄があるかないかと考えているときは、必死になって走っているというよりも、どこか冷めて、自分を眺めている自分がいます。この生き方からは、必死さが感じられません。

 必死になっている時は、藁をもつかむ思いで物事に立ち向かうため、藁が役立つかどうか考えているゆとりはありません。きっと役立つはずだと思って、物事に立ち向かっているように思います。

 力を伸ばす時間だけが、有意義な時間ではありません。
 心を癒す時間も、身体を労わる時間も、そして、何もせずただボーッと過ごす時間も、今の自分には必要だと考えれば、全て有意義な時間になるように思います。

 山中さんが、最後に
「自分では一所懸命走っているつもりでも、それは稲盛さんから見たらジョギングをしているようなレベル。遙か彼方の目標ですが、稲盛さんに少しでも近づくことを夢見て、最大限努力しています。」
と、書かれています。

 「最大限の努力をしている。」と言い切る、山中さんの凄さを感じます。
 
 「私も、全力で走っているかと自問自答しながら、日々を過ごします。」

 と、強い決意で新たな年を迎えようと思います。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

あすなろ教室

 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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