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思いやりも自分の枠の中?

2022年11月13日

テーマ:生き方

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

 最近介護をしている父が、歩いている時に転倒し、胸を強く打ち、骨折しました。
 監視用にカメラを設置していますが、転んだ場面が監視範囲の外だったので、どのように転んだのかよくわかりません。

 いつもの行動範囲内には、手すりが付けてあるので、転倒の恐れはありません。録画を見ていると、何を思ったかわかりませんが、手すりと手すりのわずかな隙間に、強引に体入れて、手すりの少ない廊下へ出て行きました。手すりがない所で転倒したようです。

 認知が進んだため、転んだ時の状況を聞いても分かりません。

 デイサービスに毎日通って運動をしているためか、動きが以前よりも動きがよくなっている感じがしていたのですが、こんな行動をするとは、思いもよりませんでした。
 
 食事、トイレ、テレビの視聴がしやすいようベットを中心に出来るだけスムーズに行動できる快適な生活できるように環境を整備しているので、何も不自由がない生活が送れると思っている私の考えを超えています。

 今の父の状況に合わせて環境を作ったのですが、父の世界にとって、快適かどうかは分かりません。
 ただ一つ言えることは、過去の自分の生活範囲からするとかなり狭い行動範囲になっている事は確かです。

 記憶の中にある自分が突如現れ、元気がよかった頃の自分のように振る舞ったとすれば、私が作った枠の中には入りません。
 枠を広げて新たな対応を考えなければなりません。

 相手を思って行う行動は、父だけに限らず、誰に対しても同じです。しかし、その行動が、相手を満足させる行動になっているとは限りません。この事はわかっていたつもりでしたが、「私の行動で満足するに違いない。」と、おごりがあったように思います。
 この父の行動から気付かされました。
 体を張って、気づかせてくれた父に感謝、感謝。

 痛み止めの薬の準備をしながら、介護から学ぶことは多いなあと改めて実感しました。
 

この記事を書いたプロ

須田敏男

長年にわたる小学校の教頭の経験を活かした家庭支援のプロ

須田敏男(あすなろ教室)

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