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父親の介護の一つに食事があります。
自宅で妻が用意した食事を自宅まで運び、父がすぐに食べられるように、ラップを取り、飲み物を器に入れ、お茶や箸を準備し、寝室のテーブルまで運びます。
頭の中では、常に効率のよさを考えている自分がいます。
ラップ1つについても、3つ4つあり、器にしっかりと張り付いているので、剥がすのがなかなか大変です。
ラップと格闘することから準備が始まり、器に張り付いたラップが憎らしくなります。
準備する妻からすると、実家まで運ぶため、こぼれたり、器がら飛び出さないようにと考えての準備だと思いますが、たまりません。
そこで、
「こぼれないようにうまく運ぶので、剥がしやすいように準備してほしい。」
と、要求しました。
その後、ラップの貼り方が変わったり、ラップから蓋に変わったりし、2つのラップに減り、楽になりました。
他にも、「どの順番で準備すると早く準備ができるか」、「家から運んだ盆を台所のどこに置くと無駄な動きが少なくなるか、」などを考えます。
食後の薬、歯磨きなどの準備もあります。これらの順番も効率を考えながらやっています。
きっと本来、私は怠け者なのだろうと思います。だから、何とか楽をしたいと思い、このような効率を求める思考を生み出しているのかもしれません。
次から次へと、考えを巡らせて介護をしていたおかげで、あっという間に1年以上続けることができました。
振り返ってみると、介護用に実家を改修工事をしたのですが、車椅子での移動がしやすいように家の外からベットまでの移動が、スムーズに流れるようにした時も同じ思考が働いていました。
このように、「面倒だ」「怠けたい」「楽をしたい」という思いが、効率を生み出す原動力となっているように思います。
「面倒だからやめる」「苦しいから逃げる」ではなく、この「面倒だ」「苦しい」の考え方を変えることで、目の前の出来事を乗り越えるための原動力にすることができるように思います。
アイデア商品が生まれるのも同じ発想かと思います。
「辛さ」「苦しさ」という「負」の中にも「正」を発見する事ができると考えると、「辛さ」「苦しさ」を和らげる事ができそうです。
そして、この考え方を利用して、今に時代を生き抜く知恵を見つける事ができそうです。
変化の激しい時代を苦しいと思うとストレスがたまります。
苦しいけれど、「楽しさ」「面白さ」があると思えば、苦しさを和らげる事ができそうです。