生活のリズム(習慣)を作る
子どもたちを見ていると、興味関心をもったことには、時間を忘れて夢中になる姿をよく見かけます。
食事の時刻になっても、就寝時刻を過ぎても、気にせず夢中になっていると、心配で声をかけたくなります。
したいことばかりではなく、しなければならないことがあります。
例えば、食事、勉強、入浴、就寝準備などです。
このしなければならないことをどのようにさせているかが子育てになります。
当然「すること」ですから、「しなさい。」と伝えることが多くなります。
することの意味や価値を一緒に伝えているかどうかによって子どもの育ちが変わります。
したいことをやめさせられたという気持ちが強いと、「親に言われるからする」「叱られるからする」・・・・この思いで「しなければならないこと」をすることになりかねません。
毎日の繰り返すとどういう生き方を身につけていくのか、容易に想像できます。
「言われて動く」「言われないと動けない」・・・そんな生き方を身につけることになります。
これは、他律的な生き方になります。
また、子どもの成長に伴い、子どもがしなければならないことは、増えていきます。
親からの指示や命令が多くなると、子どもは、益々他律的な生き方になっていきます。
では、どうすれば、自律的な生き方ができるのでしょう?
1 「すること」の意味や価値を子どもに伝えること
つまり、「わけがわかって行動する」ことです。このわけがそれぞれの親の価値観になります。
なぜ、早くご飯を食べなくてはならないの?
なぜ、早く寝なければならないの?
このような素朴な疑問にきちんと応え、自らの行動で示されると納得して行動することになります。
※親の都合で、返答が言い訳になると子どもに見透かされます。
2 行動したことに適切な評価をする
意味ある行動をしたことに対して、「意味ある行動ができた。」と正当に評価することになります。
自分の行動が正しかったということが実感できる機会になります。
この仕方でいいの? → この仕方は、この考えに合っているから「〇」
例
「いいね。よく頑張ったね。」
「その調子。なぜ、そうするのか、わかった?」
「わかっているから、できるんだね。」
3 行動が単発でなく、継続できるように見届け、評価する
意味ある行動が習慣化しなければ、自律にはなりません。身につくまでは支援が必要です。
ここが子どもとの根気比べになります。
〇できなかった時
誤っても
できなかった → 叱る
にしない。
(時々叱ることも必要ですが、叱り続けると他律的になってしまいます。)
できないわけがあり、そのわけが、しなければならない事のあなたが伝えたい価値より勝っているからできないと考える。
意思の弱さに気づいたり、葛藤を生んだりする大切な機会になります。
だから、
できなかった → できなかったわけを考えさせたり、どのように乗り越えたらよいのか助言したりする
にする。
言われるから仕方なしにしなければならないことをすることが
時間の使い分けは、意識しないとできないことの一つです。
この立ち止まりを作ることで、この行動が親にとって大事にしている事だと感じる
※「行動できればよいというだけのことではない。」「行動の意味をきちんとつかまないといけない。」と、子どもがつかむ機会ですから、できないからと言って叱り続けても意味がない。
例 「何故できなかったと思う?」
「大事なことは、何だった?」
「しようと思ったけど、できないこともあるんだ。」「(どうしたらいい?)」
「悩んだ?迷った?それが大事だ。」
「ちょっとまって。今したことを振り返ってみて!}
〇できた時
できた行動をほめるだけに終わらせないで、意味ある行動ができたことを認め、続けられるように褒める。
「よくできたね。」→△
「わかってできたね。」→〇
※話し方は、子どもに合わせて、伝わるような言葉かけになります。
例「お母さんの思いをわかってくれたんだね。できてとてもうれしいよ。」
「おりこうさん、ちゃんとわかっているからできたんだね。」
「これからも頑張ってね。」
「これなら、続けられるね。」
4 習慣化し、できるようになった姿を評価する。
できた行動の意味を理解しているか確認し、自分で考えて行動できたことを評価する。
なぜ、その行動をしたのか? → 伝えたかった価値観が伝わっているか確認することになる。
※「叱られないように」「言われたから」という価値観とはずれた返答がきたならば、再度価値観を確認する。
評価する言葉かけ
「もう、安心だね。」
「自分でできるね。」
「もう、私が気にしなくても大丈夫だね。」
子どもは、親に依存している存在です。依存されて安心しているかもしれませんが、目指すのは、子どもの自立です。必ず親から離れて生きていかなければなりません。親として、子どもの未来に焦点を当てながら、今を眺めていくことになります。
子どもの今の姿に振り回されず、子どもの成長の段階を見極めながら、子どもが自ら考え、判断し、行動していく姿をイメージし、子どもを見守るゆとりを持ちたいものです。
感情的になると視野が狭くなり、成長した子どもの姿が見えず、伝えたい価値も伝わりにくくなります。
同時に、子どもを手放す寂しさから依存状態のままにしていることがないか、子どもに頼られることで安心している自分はないか自分を見つめてみましょう。(親が子どもに依存していると、子どもの自立の妨げになります。)
どんな言葉かけをするのかは、あなた次第です。
まず、子どもにかける言葉を選らぶことから始めましょう。