子どもの幸福度

須田敏男

須田敏男

テーマ:子育て

 ユニセフが3日、先進・新興国38か国に住む子どもの幸福度を調査した報告書を公表しました。生活満足度や自殺率の高さから「精神的幸福度」が37位と低レベルでした。
 日本の未来を考えると、どんな世界になるかとても心配です。

 幸福は、心の状態を表しています。
 
 それでは、この心は、どこで培われるのでしょう?

 学校や地域の影響を受けますが、一番影響を受けるのが、家庭です。親です。

 国は、学校教育や社会教育に力を注いでいますが、それと比べると家庭教育は弱いです。

 多様な家庭があり、家庭に踏み込むことは難しいと考えるかもしれません。また、家庭のことをとやかく言われたくないという方が多いからかもしれません。なかなか家庭教育が充実しません。

 報道番組を見ていても、家庭教育を問題にする人はいません。学校や社会の責任にしています。

 これは、子ども側から見ている世界ではありません。
 
 家庭教育をもっと重要に扱われなければ、いつまでも経ってもこの低レベルの状況は解決されません。

 そしてまた、個々の家庭がもっと子どもの幸せを考える世界にならない限り、子どもの幸福度は上がりません。

 子どもの心に一番影響を与えるのは、親です。学校や社会が、いくら頑張っても親には負けます。

 親の幸福度がそのまま、子どもの幸福度になります。
 それを学校や社会の責任にしても子どもは幸福にはなりません。

 貧しくても、幸せを感じるのが心です。

 親が日々幸せに満ちた生活をしていれば、いくら学校や社会が悪くても、子どもは幸せを感じながら、たくましく学校や社会の中で生きていきます。

 それでは、どんな家庭生活を送れば、子どもは幸せを感じるのでしょう?
子どもから見える幸せな世界をニューロロジカルレベルで考えてみました。
(※ニューロロジカルレベル・・・・ギャラリー参照)

 1. 満足できる環境が整っている・・・・・・・環境レベル
 2. 身体的なふれあいが多い・・・・・・・・・行動レベル
 3.理解される家庭になっている・・・・・・・能力レベル
 4.支え合うことが大事にされる・・・・・・・信念・価値観レベル
 5.家族の一人として大事にされる・・・・・・アイデンティティレベル

1.について
 ・生きるために必要な衣食住が準備されている。
 ・欲しいものが適度に手に入る。
 ・温かいと感じる雰囲気がある。
  (いさかいが少なく、優しい言葉かけや相手を思いやる言葉かけがなされている。)

2.について
 ・いっしょに活動することが多い。
  (食事をする(作る)、お風呂に入る、買い物に出かける、思い出になる事(遊び、旅行など)をするなど)
 ・手をつないだり、頭をなでられたり、ハグされたり、直接触れ合う機会が多い。
 ・話し合うことがある。
  (互いの生活について、将来について、思い出について)

3.について
 ・トラブルや失敗があったとき、責めることなく、支えになってくれる。
 ・困ったときに相談できる。
 ・やっていることを理解し、認めてくれる。
 ・互いの夢を語りあえる

4.について
 ・家族の一人としての役割がある。(家庭内に仕事がある)
 ・家族が困っているときに、助けられる。(お手伝いができる)
 ・何が大事か、教えてくれる。(生き方が学べる)

5.について
 ・私を「大事な子だ。」「愛している。」と言ってくれる。
 ・私のよいところをほめてくれる。
 ・私を自慢してくれる。
 ・私の指定席が用意されている。
 
 一人の人間として、そして、育てる対象として、愛されている実感がもてると、子どもにとって家庭生活が安心安全な場所になります。

 さて、ここからが問題です。

 共稼ぎの家庭が多い時代です。子どもにとってこれらの内容は、欠くことはあっても十分満足できることはないと思います。

 ここが親としての知恵の見せどころになります。

 夫婦で支え合い、補い合って、不足するところを埋める努力をする姿を示すことが、子どもが「愛されている」を実感することになります。
 「私が」ではなく、「私たちが」です。

 子どもについて話し合い、両親が互いに、相手を敬い、称える姿を見ることで、子どもは、両親から愛されている実感を得ます。価値観の違う両親ですが、お互いに責め合っている姿は、子どもにとって嬉しいものではありません。譲り合ったり、補完しあったりしながら、自分と関わる両親をみなければ、子どもは満足しません。

 支え合い、補い合っている姿を見るから、自分も両親のために支えようと思います。

 子どもは親の鏡です。両親の子育てがそのまま子どもの姿に現れます。

 「今、何がこの子に必要なのだろう。」「大切にしなければならないことなこれだ。」と試行錯誤しながら、子育てをすることが子どもの幸福度につながります。

 子育てを人に任せて、仕事に専念する時代ではありません。

 少ない時間を見つけながらも、子育てに時間を費やすことが必要な時代です。

 量ではなく、質です。

 少ない時間をいかに効果的に子育てをするかにかかっています。
そのためには、場当たり的でなく、子育てをする視点をもち、効率的・効果的に子どもと関わることを考え、実施すること必要です。

 そのヒントが、ここに示したニューロロジカルレベルで分析したような質からの子育てです。これが役立つと思います。


 どうか、夫婦で、そして家族でお幸せに暮らしていただきたいと思います。

(補足です)
 すでに一人で子育てをされている方は、二人の役割を一人で果たさなければなりません。これは大変なことです。一人で頑張っているあなたを応援し、支えてくださる方を是非作ってください。
 支えがないと視野が狭くなります。お子さんの視野も狭くなります。一生懸命になればなるほど、視野が狭くなります。これはお子さんにとって不幸なことです。是非支えてくださる方を見つけ、広い視野から子育てに励んでください。
 身近に支えてくださる方が、見つからないときには、相談できる機関や私たちのような役割をもつ人を頼ることも一つです。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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