多様性の時代に生きる
何かを学習し、それ(学力、技能、考え方、〇〇力)を身につけるまでには、次の4つの段階を経ています。
1段階 無意識的無能 できない
2段階 意識的無能 意識してもできない
3段階 意識的有能 意識すればできる
4段階 無意識的有能 意識しなくてもできる
これは、あやゆることに当てはまります。
例えば、車の運転で考えてみましょう。
車の運転をしたことがない段階が1段階になります。
教習所に通い、運転を習い始めた段階が2段階になります。
そして、初心者マークを付け、運転をし始めた段階が3段階になります。
最後に運転になれ、会話をしたり、音楽を聞いたりしながら運転をする段階が4段階になります。
これは、運転技能についてですが、日常生活で身につけた多くの癖がこの段階を経ています。
服の着脱、読み書き、食事のマナー、掃除洗濯、整理整頓、買い物・・・・・等
近年、電子マネーの利用が増えていますが、使ったことのない方は、無意識的無能の段階です。使い方を教えてもらい、自由に使えるようになれば、無意識的有能の段階になります。
見方や考え方も同じように4つの段階を経て、身につきます。
食事のマナーや整理整頓などを考えると、それぞれの家庭によって異なります。
幼いころの躾けられ方によって、身につけたマナーや整理整頓の仕方が異なってきます。
見方や考え方も同じです。
時間厳守の人は、元々時間厳守だったわけではなく、時間に厳しい生活が当たり前になるように4つの段階を経て身につけました。
きれい好きの人も同じです。元々きれい好きだったというよりも、きれいに整った環境になれ、きれいにする方法を身につけたから、きれい好きになったと考えることができます。
第4段階に上げるためには、繰り返しとインパクト(衝撃)が必要です。
繰り返しの回数が少なくても、強い衝撃があれば、段階が上がります。
躾は、まさにこの4つの段階を上がる努力に他なりません。
繰り返せば、それだけ成果が上がると思うでしょうが、そうではありません。(練習量と達成度は、正比例ではなく、成功曲線を描いてできるようになります。)
お子さんに自転車の運転の仕方を教えたことのある方ならおわかりでしょう。運転の練習をしても、練習した分うまくなるわけではありません。ある時急にうまくなります。
よく、
「何度言ったら、わかるの?」とできないお子さんを責める親さんがいますが、この2つのことを十分理解していないために、このような発言をしてしまうと考えた方がよいかもしれません。
「わが子は、今どの段階なのかな?」
※しつけたいことを「意識してもできない?」「意識すればできる?」
そして、
「繰り返しの回数は、十分かな?」
※繰り返しが少ないからできないのかな?。強い衝撃は必要かな?
急にできるようになるまでの根気比べです。あきらめれば、第3段階にも上がりません。
※強い衝撃とは、強く叱ることではありません。子どもの心に強く印象づけることです。「失敗して、迷惑をかけた。」「つらい思いをさせた。」「みんなが思った以上に喜んでくれた。」「すごいことになった。」など様々です。