HOYA最高級レンズ・極の特徴
お客様からすると、レンズの中心がズレていても、
なかなかわかりにくいと思います。
幾何学中心と光学中心の違いと、偏心について。
幾何学中心と光学中心と偏心
『中心』と言っても、意図するものが違う場合があります。
通常、『中心』と言うと、幾何学中心のことを指します。
ただ、『レンズの中心』と言うと、通常は光学中心のことを指します。
幾何学中心とは、レンズの直径の中心で、
光学中心は、レンズの光軸が通る中心となります。
『偏心』は簡単に言うと、
中心を偏らせることと思えば良いですが、
レンズ生地の直径が足りないときなど、指定することがあります。
レンズでは幾何学中心と光学中心は違う?
レンズの場合、幾何学中心と光学中心はズレている場合が多いと思います。
これはユレ・歪みをなくすための設計が関係しているのかなと、
自分は勝手に推測してます。
レンズは幾何学中心と光学中心が一致することは少ないため、
レンズを加工する前には、レンズメーターにて光学中心に印をつけます。
レンズによっては、光学中心が偏っていることもあります。
また、安いレンズでも多少なりとも設計が入って非球面レンズとなってますが、
あまり使われていない球面レンズだと一緒かもしれないです。
練習などでしか球面レンズを扱うことがないため、自分にはよくわかりません。
分かっていないことは、機会があればメーカーに聞いてみようと思います。
中心を合わせるというのは?
中心を合わせるというのは、光学中心をPDに合わせることを言います。
わかりやすくいうと、レンズの光学中心を瞳孔の位置に合わせることです。
これがズレると、『見にくい』『疲れる』『度数が若干変わる』
『不要なプリズムが発生する』『乱視軸がズレる』など、
様々な問題が発生します。
レンズメーターを使わず、勘でレンズを削れる?
幾何学中心で合わせたり、光学中心がないS±0Dのレンズを削るならば可能ですが、
レンズメーターなしでは光学中心を目視できないため、
どんな熟練者でも不可能と思います。
幾何学中心なら、直径のど真ん中に合わせれば良いので、感覚的にわかります。
でも、光学中心となると、レンズには設計・球面度数・円柱度数・加入度・プリズムなど、
様々なモノが絡むため、勘で合わせて削るとかは無理な話です。
もちろん、中心とか関係なく、適当に削っても、メガネの形は作れます。
ただ、それはメガネではなく、メガネの形をした雑貨となります。
メガネという商品について
メガネは、フレームやレンズという半製品を使って作る商品です。
単純に度数やPDなどの情報を元に作るのではなく、
使用目的やフィッティング、購入後のアフターフォローなども含めて、
メガネという商品になります。
メガネでは、最低でも光学中心を合わせ、それが前提となって、
フレームの作りやレンズの設計、フィッティングなども意味が出てきます。
光学中心がズレていても気にならない、感じないお客様はおられます。
また、お客様も、周りの人も、眼鏡店でさえ、
目視だけでは、ズレているかどうかはわかりません。
ただ、長期間の使用は眼に負担がかかるため、あまりお勧めはしません。
なので、眼鏡店がレンズメーターなどを使わず、適当に作ることはしないと思います。
光学中心をわざと、ズラすことはある?
光学中心をわざとズラすことはないことはないし、
プリズムなどのためにズレていることはあります。
他店で作ったメガネをレンズメーターで見て、
光学中心がズレているので、適当に作られたという言い方をすることも
あるかもしれないです。
また、眼科や視能訓練士、眼鏡店にとっては言うまでもないことですが、
180°方向が0Dの単性乱視は焦点がありません。
焦線となり、レンズのPDは測定時の位置に左右されるため、
動かしてもレンズメーターのコロナマークが移動しません。
たまに、これを中心がズレていると指摘される人は、
その基礎がわかってないので、レンズメーターで実際に見てもらいながら、
説明しないと分かってもらえません。
そのため、光学中心がズレているなら、ズレている理由を
購入店で聞いておくと良いと思います。
通常ならメガネを渡すときに説明されているはずですが、
大抵は難しいので、忘れていることが多いと思います。
なので、他店でそう言われて気になったら、
購入店に再度確認してください。
まとめ
お客様はレンズの中心がズレていることは気にしないし、
わからないと思います。
なので、わからない以上、眼鏡店は中心がズレないように、
きちんとレンズを削ることが誠実と思います。
中心と言っても、眼や勘でわかるものではないので、
不具合がある場合は、そのあたりも理由として考えることになります。
次は、『メガネを頭の上に乗せると?』について



