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レンズを別のフレームに入れ替えることをお勧めしない理由

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

古すぎるフレームにレンズを入れて壊れた場合、言われることがレンズの入れ替え。
いわゆる、『枠替え』。

お客様からすれば、レンズはまだ新しいのだから、
フレームだけ変えれば良いだろうと思われるかなと。
でも、この枠替えを嫌がる眼鏡店はあると思います。
私自身もできるならやりたくないです。
理由は、メガネとしての機能が低下する可能性があるから。

なので、枠替えにあたっては、眼鏡店は細心の注意を払い、
お客様には飲んでもらう条件があると思います。

枠替えで眼鏡店が注意すること

枠替えで眼鏡店が注意することは、レンズの中心をできる限り合わせること。

通常、レンズは丸生地からフレームに合わせて削られるため、
大抵の場合、問題なく、ある程度の技術があれば、容易に中心を合わせることができます。

ただ、枠替えの場合、すでに削られているレンズを用います。

かなり大きな玉形(レンズ)のフレームから、かなり小さな玉形のフレームに入れ替えるなら、
丸生地と変わらない感覚で削れるため、問題ありません。

でも、そこまで大きな玉形のフレームを使われている場合は少ないため、
大抵は、フレーム選びから緻密に検討します。

フレーム選びで注意すること

フレーム選びでは、PD(瞳孔間距離)と、フレームの鼻幅、そしてレンズの大きさに注意します。

PDとフレームの鼻幅については、間違ってても、フレームに入れ込むことができさえすれば、
見た目には問題があるように見えません。
ただ、PDとフレームの鼻幅から、レンズの中心が合うように選定していないと、
プリズム効果によって、違和感や疲れにつながります。
なので、鼻幅は入れ替え前のフレームと同じか、それよりも若干狭いものを選ぶことになります。
かなり狭いものを選んだ場合、逆にレンズの大きさがたりなくなります。

レンズの大きさについては言わずもがなで、
入れ替え先のフレームよりレンズが小さければ、そもそも枠替えは不可能です。
また、わずかに大きければ良いわけでもなく、
鼻幅を考慮した上での大きさが必要となります。

鼻幅が狭いツーポフレーム(フチなし)なら、大抵は行けるかもしれないです。

加工について

枠替えにはレンズを再加工する必要があります。
加工機を使えれば、特に問題は少ないです。

でも、加工機が使えない程、ギリギリの大きさだったりする場合は、
手刷り機を用います。

手刷りを行い場合、加工者の技術に左右されますが、
問題は、再加工という点です。

通常、フレームに対してレンズが大きい場合、
手刷りによって調整しますが、レンズの中心がずれないよう、
基点を作ると思います(加工者によってはやり方が違うかもです)。

ただ、別のフレームに入れるための再加工となると、
基点が作れないたため、全体を削っていることになると思います。

重要なのは、レンズの中心が合っており、アイポイントや乱視の軸に問題がないこと。
それを人の手の感覚のみで微調整しながら、
大きすぎず、小さすぎず、正確に削りきる必要があります。

結果として、レンズの中心が合い、アイポイントや乱視の軸がズレていなければ
御の字となります。

お客様に飲んでもらう条件

お客様に飲んでもらう条件としては、
レンズの中心が合わず、PDやアイポイント、乱視の軸がズレてしまう可能性があることを
承諾してもらう必要があります。

枠替えはフレーム選定を間違えなければ、見た目には問題があるように見えません。
でも、眼鏡店からすれば、メガネとしての機能が落ちる可能性があるため、
お勧めしないし、やりたくないと思います。

でも、お金の問題もあるし、お客様の要望ということであれば、
やらざるを得ないこともあります。

まとめ

・枠替えを行う際、眼鏡店は細心の注意を払い、お客様は条件をのむ必要がある
・枠替えが問題なく成功するには、眼鏡店の知識と技術による
・眼鏡店は持てる知識と技術をもって、問題ないように作りますが、
 多少の違和感がでる可能性についてはご了承ください

つまりは、古すぎるフレームにレンズを入れるなら、枠替えか、買いなおしか、
リスクはあるということになります。

次回は、『子どもの弱視補助はどこに相談する?』

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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