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豊福祐史

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豊福祐史(とよふくひろし) / 眼鏡小売店

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コラム

メガネフレームの質はどうやって見る?

2022年11月11日

テーマ:意外に知らないフレームの話

コラムカテゴリ:くらし

『どうやってメガネフレームは質が良いか見るのか?』と聞かれます。

眼鏡専門店はフレームを一本一本見てから仕入れるのは、
価格と商品が釣り合っているかを見るためであり、
その経験や感覚、勘を養ってます。
なので、簡単に言葉や文章で説明するのが難しいところもあります。

ただ、経験や感覚や勘、価格が高いから、有名なブランドだからなど、
曖昧な表現で納得する方も少ないかと。

なので、自分がフレームを見る場合に注意するポイントの中で、
説明しやすいものをいくつか。

あくまでも、自分が見るポイントの一部で、
時代とともに変わってくる部分もあるため、参考程度に。

価格の違いは?

フレームに価格については、別コラムで書きましたが、
素材・つくり(製造方法・工程など)・デザイン・ブランドなど、様々な面が価格に反映されます。

例えば、素材が違えば、価格が違ってきます。
同じ製造方法でも、検品工程などを抜けば、安く作ることは可能です。

その中で、質という点では、主には素材・つくりの2点になるのではないかと。

素材について

素材についても別コラムに載せてますので、簡単に。
樹脂フレームなら、アセテートやセルロイドなど、最近ではポリアミドやトロガミドなど、
質が高いものが多くあります。
金属フレームなら、純チタンやβチタン、ステンレスもあります。

樹脂フレームの見方

まず、樹脂フレームについては、アセテート・セルロイドだけでなく、
ウルテムやTR-90などもあるので、材質を確認。
慣れてると、色やツヤなどでわかる場合も多いですが、
店員の方に聞いた方が早いし、正確です。

ウルテムやTRー90はある程度の柔軟性があり、変形しづらく、
大量生産に向いている特徴があります。
欠点として、ある一定以上曲げると割れることと、変形しづらいため、
フィッティングできない。
なので、個人的にはアセテートやセルロイドが良いかと。

次はテンプルに金属芯が入っているかどうか。
アセテートは大抵入ってますが、ウルテムなどは入っていない、または一部のみであることが多いです。
また、セルロイドについては入っていなくても問題ないですが、
最近では入れてる場合もあります。

また、アセテートやセルロイドの方が良い利点の一つに、数年経つと、
汗などで白くなったった部分をバフ掛けすることで、元通りの風合いに戻せます。

金属フレームの見方

金属フレームはステンレスやチタン、ニッケル合金など様々なものがあります。
最近では、軽さと丈夫さから、フロントに純チタン、テンプルにβチタンを
使っていることが多くなってます。

金属フレームについては、どの素材でもそれぞれ特徴があるので、
一概にどうこう言えないです。
ただ、合金については同じβチタンでも、素材の会社で配合率は違う場合もあるみたいです。

ちなみに、ステンレスについては、詳しい方なら、SUS304などが頭に浮かび
磁石がくっつけて確かめる方もおられます。
メガネフレームの場合、磁石がくっつくのでSUS430か、それと同じ系統かなと。
これについては詳しく調べてないですが、柔軟性を高めるために、
この系統にしたのではないかと、個人的に推測してます。

『つくり』について

本当は製造工程を見た方がわかりやすいですが、
実際には見ることができないです。
なので、店員の方がわかる範囲まで聞いて、『つくり』を見ることが大事と思います。

樹脂の『つくり』について

製造工程としては確認したいのは、
樹脂なら『インジェクションか、削りだしか』『削りだしなら寝かせているのか』
『湯せん加工など、特殊な工程があるか』。
削りだしの方が反りが起きにくいし、寝かせたり、湯せん加工などを入れることで、
さらに質は向上します。

他には、フロントとテンプルをつなげている蝶番部分がコマ抜けしにくいかなど。

金属の『つくり』について

金属なら『曲げか、抜きか』『塗装はどういったものか』といったところかと。
抜き材の方がテンションがかかっていないため、リム切れが少なくなります。
塗装も方法によっては、剝がれやすいこともあります。

もちろん、店員の方に聞いても全てがわかるわけではないし、
メーカーからすべてを聞けるわけではないので、参考程度に。

見るポイントとしては、特に溶接部分を見ることが多いです。
これも一概には言えない部分がありますが、溶接部分が一番弱い箇所になるため、
溶接が少ない方が壊れにくいと思います。

また、溶接しているから壊れるとかではなく、どこを溶接しているか、
きちんとできているか、耐久度があるかなどを確認します。

わからないならブランドで

ブランドというのは『信用』であり、『信頼』です。
メガネフレームのハイブランドは取扱店舗を限定しています。

その理由として、この店がそのブランドを取り扱うに値するかどうかを見定めています。
逆に、取扱店はそのブランドのフレームを取り扱って、お客様に迷惑がかからないかを見定めています。
たとえ、世界的に有名なブランドであっても、お客様に迷惑がかかると判断すれば、
取引しない、やめるという専門店も多くあります。

そのため、ハイブランドと取引を開始する際は、どういう店か調べられますし、
展示会を含めて、仕入れするときは、店側も結構、細かく聞きます。

私自身も、転勤などで引っ越されるお客様に、遠方のメガネ店を紹介する際、
どういったブランドを取り扱っている店か調べることもあります。

メガネだけでなく、時計や自動車、服飾など、様々な面で、ブランドが求められる理由、
そのブランドの正規取扱店を選ぶ理由は、
ここなら間違いがないという、信用・信頼にあると思います。

なので、ブランドで選ぶのも一つの手ではないかと思います。

まとめ

・素材を確認
・製造工程を確認
・つくりを確認
・わからないなら、ブランドで選ぶのも一つの手。

次は『子どものメガネは目が大きくなる?近視のメガネは目が小さくなる?』について

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