アンバレンタイン・ルノアの2023年秋展示会
前回の続きで、樹脂フレームと言ったら何を思いつきますか?
おそらく、『プラスチック』『セルロイド』くらいじゃないかと。
通常、メガネで使われる樹脂は、合成樹脂で、大半の人が『樹脂=合成樹脂』を
イメージすると思います。
細かい部分は、樹脂を取り扱っている素材メーカーの会社が詳しいので、
そちらを探してもらえたら。
プラスチックの種類
一般的にプラスチックや樹脂といっても、かなりの種類があります。
日常的にも『PE』『PP』『PET』『ポリカ』『アクリル』『ナイロン』など、
たくさんの樹脂が使われており、良く耳にしていると思います。
メガネフレームに使われる樹脂素材
樹脂のメガネフレームとしては、『セルロイド』『アセテート』『ナイロン』『ポリアミド』
『ウルテム』『TR-90 』などがあります。
これもさらに細かく言うと、『トロガミド』など、様々なものがあり、その特徴も異なります。
最近では、PETもリサイクル素材としてあると聞きます。
よくセルフレームと耳にするけど?
セルフレームは、樹脂のフレームのことを指すことが多いと思います。
これは『セルロイド』が最初の樹脂フレームだったことの名残みたいです
自分もセルロイド以外のフレームを『セルフレーム』と言ってしまうので。
ハイブランドの樹脂は?
よく見かけるのは『アセテート』と思います。
『アセテート』は燃えにくく、加工しやすい、柔らかな肌触り、
透明感のある色合いなどが特徴です。
テンプルの素材の場合、チタン芯などが入っており、
それによってフィッティングが可能となります。
ちなみに『アセテート』は洋服の繊維にも使われていたと思います。
もちろん、アセテート以外に、セルロイドやポリアミド、トロガミドなども使われてます。
また、素材だけでなく、『1枚板から削り出し』『1枚板の状態で寝かせる』
『湯せん加工』などの工程を入れる程、
手間と時間がかかる反面、製造後の歪みにくくなり、価格も上がってきます。
この辺りは、木材などの建材と同じかと思います。
セルロイドは発火するから輸出入禁止?
『セルロイド』は現在も日本で使われていますが、輸入禁止している地域もあります。
理由は発火点が低いので、危ないからだそうです。
発火点が低いと聞くと、危ないように感じますけど、
『セルロイド』の発火点は約170℃(アセテートは約470℃)。
なので、日本で普通に使う分にも何の問題もないと思います。
『アセテート』よりも、衝撃に強く、しなやか、形が崩れにくく、歪みや曲がりも少ない、
テンプルなどに芯を入れなくてもフィッティングが可能です。
ウルテムやTR-90は?
『ウルテム』は航空機にも採用されている素材ですが、どの部品なのか明確なものが見つけられなかったです。
知ってる方がおられたら、教えてほしい部分です。
難燃性のため、アセテートと同様、座席のシートの繊維などにも使われているとは聞きます。
軽く、耐熱性と柔軟性が高い、大量生産に向いているのが特徴ですが、
折ってくる方は多いし、修理すると元の価格よりも高くなることがあります。
『TR-90』は扱ったことがないからわからないです。
ウルテムに近い性質と聞くので、おそらく、フィッティングは難しいのかなと。
よく変形しないフレームと言われますが、『変形しない=フィッティングできない』ということです。
また、『ウルテム』『TR-90』は射出成型に適しているため、大量生産しやすいと聞いてます。
バフ掛けで新品に?
『アセテート』や『セルロイド』などは数年経って、白くなっていても、
バフ掛けを行うことで、購入当初の色合いに戻せます。
ただ、『ウルテム』などは、できません。
まとめ
樹脂フレームと言っても、素材は様々あります。
もちろん、同じ『アセテート』でも製造方法により、価格も性能も変わります。
価格にはそれぞれ理由があります。
素材・製造方法・特徴など、見た目にはわからない理由は、お店の方に聞くのが一番で、
どんな買い物も納得して買うべきと思います。
次回は、フレームの材質(その他)について