「透明であること」がガラス最大の弱点かもしれない

松岡順子

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地震で割れたガラスは、透明であるため破片が見つけにくいという特徴があります。
ガラスの透明性は美しさの一方で、防災の観点では注意が必要な場合があります。
型板ガラスやすりガラスなど、見えやすさと安全性について考えてみます。



地震のあと、なぜガラスの破片でケガをするのか


先日の地震報道を見ながら、ふと考えたことがありました。

ガラスは割れると危険だと言われます。
でも本当に危険なのは「割れること」なのでしょうか。
むしろ私は、ガラスが透明であることの方が怖いような気がしました。
ガラスは割れること自体が危険なのではなく、
「割れた後に見えにくいこと」
も危険なのではないかということです。

例えば夜間。
停電している室内で窓ガラスや食器棚のガラスが割れた場合、小さな破片は床と同化してしまいます。
気付かず踏んでしまい、避難中にケガをすることもあります。

ガラスの魅力は「透明」であること


私たちは普段、

・景色が見える
・光を通す
・圧迫感がない


という理由でガラスを選んでいます。
ガラス最大の魅力は透明であることです。
ところが、その透明性は災害時には別の顔を見せます。
割れた破片が見つけにくくなるのです。

ガラスが危険なのではなく、
「透明であることが危険を大きくしてしまう場面がある」とも言えます。

昔の型板ガラスには別の価値があったのかもしれない


昔の住宅には、模様入りの型板ガラスがよく使われていました。
最近は透明ガラスが主流ですが、型板ガラスには独特の存在感があります。

もし割れた場合でも、

・表面の凹凸
・光の乱反射
・模様による視認性


によって破片が目につきやすくなることがあります。
もちろん、模様があるから安全というわけではありません。
しかし、「見つけやすさ」という観点で考えると、透明一辺倒では見えてこない価値があるのかもしれません。

実は鳥もガラスが見えない


人間だけではありません。
ガラスへの衝突事故として有名なのが「バードストライク」
です。
鳥は透明なガラスを空間と認識してしまい、そのまま衝突することがあります。
そのため近年は、

・模様を入れる
・マークを付ける
・デザインを施す

ことで視認性を高める取り組みも行われています。

見えないことによる危険は、人間だけの問題ではないのです。


メモ
ガラスの安全対策として最も効果的なのは、飛散防止フィルムや合わせガラスによって「飛び散らせない」ことです。
模様入りガラスが安全ガラスになるわけではありませんが、「見えやすさ」という視点から考えると興味深い特徴があります。


ガラス屋だから考える、防災とデザイン


ガラスは透明であるからこそ美しく、多くの場所で使われています。
しかし災害時には、その美点が弱点になることもあります。
これからのガラス選びは、

・強さ
・デザイン
・掃除のしやすさ
・見えやすさ

も考えてよい時代なのかもしれません。

地震のニュースを見ながら、そんなことを考えました。

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松岡順子
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松岡順子(ガラス工芸)

株式会社 クライミング

贈る相手や用途に合わせて、完全オリジナルで制作。世界にひとつだけのガラス作品で、特別な空間を演出します。

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