【最終回】また熊本へ、また阿蘇へ ― 65歳、CB1300で走って分かったこと
年齢とともに薄れていった「欲しい」という気持ち
若い頃は、欲しいものがたくさんありました。
バイク、車、パソコン、家電製品……。
欲しいものを見つけると、どうすれば手に入れられるのかを考え、仕事を頑張り、お金を貯め、ようやく手に入れたときには大きな喜びを感じたものです。
ところが、年齢を重ねるにつれて、そんな気持ちが少しずつ薄れていきました。
もちろん、欲しいものがまったくなくなったわけではありません。
でも、実際に買ってみても、若い頃ほどの感動がないのです。
以前なら、購入した商品を何度も眺めたり、触ったり、それだけで楽しかったものです。
しかし最近では、欲しかったものを手に入れても、
「まあ、こんなものかな」
と感じることが増えてきました。
「これが年を取るというものなのか。」
そんなふうに、自分自身で納得していたのです。
65歳、忘れていた情熱がよみがえった!
ところが、65歳になった今年、思いもよらないことが起こりました。
それが、バイクとの再会です。
20代の頃に乗っていた400ccのバイク。
それから35年という長い年月が過ぎ、もう一度バイクに乗りたいという気持ちが芽生えました。
そして、どうせ挑戦するなら大型二輪免許を取得しようと決意しました。
65歳からの教習所通い。
決して簡単な挑戦ではありませんでしたが、無事に大型二輪免許を取得することができました。
そして2026年7月9日。
熊本のレンタル819熊本空港店で、長年憧れていたホンダCB1300スーパーボルドールSPをレンタル。
阿蘇の雄大な自然の中を走りました。
1,284ccのエンジンが生み出す力強い加速。
270kgを超える車体とは思えない、走行中の安定感。
そして、何よりもCB1300に乗っているという満足感。
もちろん、立ちごけしてクラッチレバーを折ってしまうという失敗もありました。
それでも、あの日の感動は今も忘れることができません。
そして、私の中で眠っていた感情が一気によみがえってきたのです。
「CB1300が欲しい!」
それも、ちょっと欲しいという程度ではありません。
「どうしても、自分のCB1300が欲しい!」
65歳になって、こんなにも強く何かを欲しいと思う日が来るとは、自分でも想像していませんでした。
「乗りたい」だけではなく「所有したい」
実は、CB1300に乗るだけならレンタルバイクという方法があります。
今回の阿蘇ツーリングでも、レンタル819熊本空港店のお世話になりました。
レンタルなら、維持費や保管場所などの負担も少なく、さまざまなバイクを楽しむことができます。
経済的に考えれば、合理的な選択なのかもしれません。
しかし、今回私が感じているのは、少し違う気持ちです。
「CB1300に乗りたい」というよりも、「CB1300を所有したい」のです。
自宅に帰れば、そこに憧れのCB1300がある。
休日には車体を磨き、エンジンをかける。
走りに行かなくても、ただ眺めているだけで満足できる。
そして、天気のいい日には、気の向くままに走り出す。
そんな生活を想像するだけで、何だかワクワクしてくるのです。
若い頃には当たり前のように感じていた、欲しいものを手に入れるまでの期待感。
それが今、65歳になって再びよみがえってきました。
200万円のCB1300と、2万円の自転車
前回の連載の最終回で、私はこんなことを書きました。
「CB1300は200万円以上するので、2万円のチャリを買いました(笑)。」
実際に自転車を購入し、体力づくりを始めました。
排気量0cc。
エンジンは自分の脚。
ガソリン代もかかりません。
なかなか経済的なバイクです(笑)。
でも、自転車を買ったからといって、CB1300への思いが消えたわけではありません。
むしろ、日に日に強くなっているような気がします。
自転車で体力をつけながら、頭の中ではCB1300に乗っている自分を想像しているのです。
「やっぱり、CB1300が欲しい!」
どうやら、この気持ちは簡単には収まりそうにありません。
65歳、夢と現実の間で
とはいえ、現実はそう簡単ではありません。
CB1300スーパーボルドールは、200万円を超える大型バイクです。
車両価格だけでなく、保険、税金、車検、整備費用なども必要になります。
そして、私も65歳。
これからの生活や仕事のことも考えなければなりません。
若い頃のように、欲しいからといって勢いだけで購入するわけにはいきません。
でも、だからといって簡単に諦めるのも違う気がします。
欲しいものがある。
そのためにどうすればいいのかを考える。
目標に向かって努力する。
考えてみれば、若い頃はそんなことを繰り返してきたように思います。
そして今、65歳になって、もう一度その楽しさを味わっているのかもしれません。
もちろん、無理な借り入れをしてまで購入するつもりはありません。
今の生活を大切にしながら、どうすれば夢を実現できるのか。
これからじっくり考えていきたいと思います。
物欲が戻ったのではなく、情熱が戻ったのかもしれない
今回、CB1300がどうしても欲しいと思うようになって、あることに気づきました。
それは、単に高価なものが欲しいということではないのかもしれない、ということです。
若い頃のように、何かに夢中になる。
欲しいものを思い浮かべるだけでワクワクする。
そのために、明日も頑張ろうと思える。
そんな気持ちが、私の中にまだ残っていたことがうれしいのです。
「65歳になっても、こんなに夢中になれるものがあったんだ。」
年齢を重ねることは、決して夢や欲望を失うことではないのだと思います。
ただ、心から欲しいと思えるものに出会う機会が少なくなっていただけなのかもしれません。
そして私は、CB1300というバイクに再び出会いました。
夢の続きを、もう一度
前回の連載では、35年越しの夢だった大型二輪免許を取得し、憧れのCB1300で阿蘇を走ることができました。
そして今回、新しい夢が生まれました。
「いつか、自分のCB1300を所有する。」
果たして、この夢を実現することができるのでしょうか。
正直に言えば、今のところ分かりません。
でも、夢を実現するまでの過程も楽しんでみたいと思っています。
65歳。
若い頃ほど物欲がなくなったと思っていた私が、今、どうしても欲しいものに出会いました。
それだけでも、何だか人生が少し楽しくなった気がします。
200万円以上のCB1300を夢見ながら、今日も2万円の自転車をこぐ。
そんな65歳がいても、いいのではないでしょうか(笑)。
私の新しい挑戦が、また始まりました。
次回予告
【第2回】65歳、200万円のバイクを本当に買えるのか? ― 夢と現実の資金計画
憧れのCB1300を所有したい。
しかし、購入するには200万円以上の資金が必要です。
65歳という年齢、現在の仕事や収入、そしてこれからの生活。
夢を夢のままで終わらせないために、現実的な購入方法を考えてみたいと思います。
果たして、65歳の私にCB1300は買えるのでしょうか?
P.S. ついに中古のCB1300を見に行ってきました!
実は先日、レッドバロンへ行ってきました。
もちろん、お目当てはCB1300スーパーボルドールです。
そこで出会ったのが、2010年モデルのCB1300SB。
なんと、16年落ちのバイクです。
走行距離は39,078km。
そして、気になるお値段は……
税込82万8,000円!
新車なら200万円以上する憧れのCB1300が、中古車とはいえ80万円台で販売されているのです。
「おっ、これなら何とかなるかも?」
そんな気持ちが一瞬、頭をよぎりました。
しかし、冷静に考えれば16年落ち。
購入価格だけでなく、今後の整備費用や維持費も考えなければなりません。
それでも、実際に目の前にすると、やっぱり格好いい!
あの白と赤のカラーリング。
堂々とした車体。
そして、CB1300ならではの存在感。
しばらく眺めながら、改めて思いました。
「やっぱり、欲しいなぁ……。」
もちろん、まだ購入を決めたわけではありません。
でも、こうして中古車を見に行くようになったということは、私の中でCB1300への思いがますます強くなっている証拠なのかもしれません。
200万円以上の新車か、80万円台の中古車か。
それとも、もう少し待つべきなのか。
65歳の私の悩みは、まだまだ続きそうです。
ちなみに、今の愛車は2万円の自転車。
82万8,000円のCB1300を眺めたあとも、現実は2万円のチャリです(笑)。
でも、いつの日か必ず……。
夢は少しずつ、現実に近づいているのかもしれません。
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