【第7回】便利の代償 ― 人は考える時間を失うのか

佐々木康仁

佐々木康仁

テーマ:生成AI


私は65歳になった今、毎日のように生成AIを使っています。

コラムを書くとき。
企画を考えるとき。
仕事の相談をするとき。
英会話の勉強をするとき。
分からないことを調べるとき。

気がつけば、AIは私の生活や仕事の一部になっています。

そして最近、ふと考えることがあります。

「人類は便利になるたびに、何かを手放してきたのではないか」

ということです。

私たちは便利さを求め続けてきた

少し昔を思い出してみてください。

電話番号は覚えていました。
地図を見ながら目的地へ向かっていました。
辞書で言葉を調べていました。
本を読んで情報を探していました。

しかし今はどうでしょう。

スマートフォンが全部やってくれます。
電話番号は覚えなくても困りません。
地図もナビが案内してくれます。
分からない言葉は検索すればすぐに出てきます。

便利になりました。

間違いなく便利になりました。

でもその一方で、

覚える機会や調べる機会は減ったのかもしれません。

AIはさらに便利な存在

生成AIは、その便利さをさらに加速させています。

検索する必要もありません。

自分でまとめる必要もありません。

AIに聞けば、

整理された答えが返ってきます。

しかも数秒で。

これは本当にすごいことです。

私自身も毎日その恩恵を受けています。

しかし、

便利になればなるほど、

少し気になることがあります。

「考える時間」が短くなっていないか

昔は答えがすぐに見つからないことがありました。

だから考えました。
悩みました。
人に相談しました。
本を読みました。

ところが今は、

答えがすぐに手に入ります。

すると、

考える前に答えを見る。

そんな習慣が生まれやすくなります。

もちろん効率は上がります。

でも、

効率だけでは測れない価値もあるのではないでしょうか。

遠回りが成長を生むこともある

私がこれまで経験してきた仕事の中でもそうでした。

店長時代。
ICT支援員時代。
販売の仕事。

うまくいかなかったこともたくさんあります。

そのたびに考えました。

なぜ失敗したのか。

次はどうするのか。

答えはすぐには見つかりません。

でも、

その遠回りがあったからこそ、

今の経験につながっています。

もし最初から正解だけを教えられていたら、

ここまで学べなかったかもしれません。

AI時代だからこそ必要なこと

私はAIを否定しているわけではありません。

むしろ積極的に活用しています。

ただ、

AI時代だからこそ、

意識的に「考える時間」を残す必要があるのではないかと思っています。

例えば、

AIに相談する前に自分の考えを書いてみる。
AIの答えをそのまま使わず、一度疑問を持ってみる。
別の視点を探してみる。

そんな小さな習慣が、

これからますます大切になる気がしています。

Today's English Phrase

"Take time to think."
(考える時間を持とう。)

とても簡単な英語です。

しかし、

便利さに囲まれた今だからこそ、

心に留めておきたい言葉です。

速く答えを出すことも大切。

でも、

じっくり考えることにも価値がある。

私はそう思っています。

最後に

生成AIは私たちの可能性を広げてくれる素晴らしい道具です。

これからも進化していくでしょう。

そして私たちの仕事や生活は、さらに便利になっていくと思います。

しかし、

便利さを手に入れる代わりに、

考える時間まで失ってしまったらどうでしょう。

効率は上がるかもしれません。

でも、

成長する機会は減ってしまうかもしれません。

だから私は今日もAIを使います。

そして同時に、

自分の頭で考える時間も大切にしたいと思っています。

便利さと考える力。

その両方を持ち続けることが、

AI時代を生きる私たちに求められているのかもしれません。

次回は、

【第8回】AI時代に強い人は「知識が多い人」ではない

についてお話ししたいと思います。

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佐々木康仁
専門家

佐々木康仁(ITコンサルタント)

株式会社CNCコンサルティング

対面と非対面を組み合わせた独自のマーケティング手法、ChatGPTを活用するための基礎的な講習、小学校などでのICT教育支援を事業の柱とする。数々の職業を経験し“現場感覚”でサポートできるのが強み。

佐々木康仁プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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