第5回:マネジメントの基礎はデータにあり
— 顧客を動かすのは“デジタル”ではなく“人の温度” —

今の時代、SNSや広告を使えば簡単にお店を宣伝できます。
X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、LINE公式アカウント…。
たしかに、どれも強力なツールです。
しかし、私は現場の店長として20年以上やってきて、
こう感じています。
「実力のある店長は、SNSなんか使っていない。」
もちろん、SNSを否定しているわけではありません。
問題は、SNSだけで集客できると思い込むことです。
本当にお客様を動かすのは――「人の温度」です。
■SNSは“きっかけ”、本当の勝負は店の中にある
SNSで発信しても、来店してくれるとは限りません。
「見たことある」「いいねは押した」――それで終わることがほとんどです。
SNSの投稿は、お客様にとって“きっかけ”に過ぎません。
本当の勝負は、来店したその瞬間。
つまり、店内での体験にあります。
接客の表情、店の香り、商品を手に取ったときの感触。
五感を通して「また来たい」と思ってもらえたかどうか。
これがリピーターを生む最大のポイントです。
■リアルマーケティングとは「人を動かす」こと
リアルマーケティングとは、チラシや販促イベントを指すのではなく、
“お客様の感情を動かすすべての行動”のことです。
・レジでの一言
・スタッフの笑顔
・POPの一筆メッセージ
・常連さんとの小さな会話
これらはSNSよりもはるかに強力なマーケティングです。
なぜなら、その瞬間の体験が記憶に残るから。
たとえば私の店舗では、
新規のお客様が帰る際にスタッフ全員で「ありがとうございました!」と声を合わせていました。
その光景を見たお客様が、後日こう言ったのです。
「あの店、雰囲気がいいよね。あれが忘れられなくて。」
リアルな体験が、最高の口コミを生みます。
■デジタルとアナログの“ハイブリッド発想”を持つ
SNSを使うなら、「リアル」とセットで考えましょう。
SNS → 来店へのきっかけをつくる
店舗 → 感動体験で心をつかむ
DMやLINE → 再来店を促す
この流れを意識するだけで、SNSの効果が何倍にもなります。
SNS単体ではなく、“リアルを補完するツール”として使うのが正解です。
■今日からできる実践ポイント
SNS投稿より“店内体験”を磨く。
お客様の記憶に残る接客・雰囲気を意識。
リアルな一言を大切にする。
「今日の天気どうでした?」などの雑談が信頼を生む。
SNSは“補助輪”と考える。
目的はフォロワー数ではなく、“来店数”にある。
次回の第8回は、
「スタッフを“動かす”リーダーの言葉力」。
リーダーの一言がチームを沈めも動かしもする――。
現場で磨かれた「伝える力」と「聴く力」をお伝えします。
著書紹介
このコラムの内容は、著書
『新米店長の道しるべ:16年の失敗と成功から学ぶ 』
(著:佐々木 康仁/出版社:CNCコンサルティング出版)
をもとにしています。
20年にわたり飲食・小売・サービス業の現場で店長として学んだ「リアルな経験」と、
そこから生まれた実践的なマネジメントとマーケティングの知恵を一冊にまとめました。
・店長として悩む方
・これからリーダーを目指す方
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