「話さなかったこと」に宿るもの:沈黙の中にある感情と選択
目次
雪が降る前から脅され疲れる今の時代
日本海側は今夜から大雪の恐れ。厳重な警戒を
このフレーズを聞いた瞬間、
まだ一粒も雪を見ていないのに、
なぜか人は一度、深いため息をつく。
雪は降っていない。
でも心の中ではもう、
転ぶ・遅れる・動けない、まで全部体験している。
雪より先に、想像が積もる。
雪が降る前から、心はフル稼働
産業カウンセリングの場でも、こういう声をよく聞く。
まだ何も起きていないんですけど……
心配になってしまって気になる。
その状態でいると何だか疲れてしまって
これは珍しいことではありません。
人は危険そのものより、
“危険に備え続ける状態”に疲れる。
しかもこの「備え」は、だいたい盛られる。
・最悪の場合
・念のため
・万が一を考えて
気づけば、雪1cmで人生が詰む前提になりがち。
不安は、まとめると一気に重くなる
カウンセリングでは、まず不安をほどく。
寒さのことか。
雪の量か。
通勤か。
仕事を休めないことへの焦りか。
これを分けるだけで、
「全部が怖い」という状態から抜け出せる。
人は不安が強いと、
全部を一つの大きな不安袋に詰め込む。
しかもパンパンになるまで詰める。
自分で。
過剰な安全欲は、心を休ませない
もちろん、安全は大事ですよ。
そして対策も必要。
ですが、「常に警戒し続ける心」は燃費が悪い。
雪が降る前から肩に力が入り、
降らなかった日は
「なんだ、拍子抜け」と、どっと疲れる。
これ、雪に限った話ではありません。
仕事でも人間関係でも、
起きる前に心が消耗している人は多い。
雪は変わっていない。人間が忙しくなっただけ
雪の白さも、冷たさも、沈黙も、昔のままだ。
変わったのは、それを発信する人と受け止める人の構え方。
危険に敏感になった人のメンタル面の変化も大いに影響しているのではないでしょうか?
感じる前に判断し、
立ち止まる前に警戒し、
楽しむ前に疲れてしまう。
昔は雪の日、
「今日はちょっと動きにくいね」で済んでいた。
今は、
「今日はもうダメな日」になりがち。
心まで前倒しで凍らせなくていい
心理の現場で大切にしているのは、
「今、考えること」と 「今、考えなくていいこと」を分けること。
雪は、降ってから対応すればいい。
心まで、前倒しで凍らせなくてもいい。
そして、雪の量を正確に受け止めること。
あなたの心も、立ち往生させる必要はない。




