仕事以外で二刀流:柔軟な人生設計がもたらす豊かさ
目次
人は困ると、とりあえず勉強を始める
仕事がうまくいかなくなったとき。
評価に納得できなくなったとき。
このままでいいのか分からなくなったとき。
人はなぜか、資格の一覧ページを開き始める。
心理学、キャリアコンサルタント、FP、コーチング。
最近だと「国家資格」という文字がついていると、
安心感はさらに増す。
不思議なもので、
何も解決していないのに、
「調べている自分」だけで少し救われる人が多い。
資格は「努力している感」をくれる
資格の一番の効能は、
「私はこんな人です」という証明に近いもの
・今日は勉強した
・ちゃんと時間を使った
・無駄にはしていない
この感覚が欲しくて、人は資格に向かう心理が働く。
誰にも評価されなくても、
テキストを開いている自分だけは、
やってる感は増し増し。
そして、妙に「やってるぞ!」の自分が登場。
次第に、「やらねばならぬ!」の追い込みに似た状況で沼る。
資格は不安解消の逃げ道の一つになりがち
資格を取る間、人生の決断を先延ばしにできる。
そして、不安解消の解決策としても魅力的。
・今の仕事を続けるか
・辞めるか
・独立するか
資格取得するまで急いで答えを出さなくていい。
「資格を取ってから考える」という
便利な中間地点が用意されているからこそのお話。
勉強している間は、
まだ失敗していないし、
まだ本気を出していないことにもできる。
とはいえ、資格取得したとしても、思った以上に人生は変わらない。
資格は期待以上に人生を変えない
頑張った結果、資格を取ったとしましょう。
資格を取ったとしても、世界は何も変わらない。
求人票を見れば、
「資格あれば尚可」と小さく書いてあるだけ。
もちろん、
資格が無意味だと言いたいわけではありませんよ。
ただ、
資格は「人生のハンドル」ではなく
オプション装備の一つで、あなた自身の頑張ってきたことや続けていたことが判断基準。
それでも人が資格を欲しがる理由
産業カウンセリングをしているとわかること。
それは当事者が本当に欲しいのは、資格そのものでありません。
・この先、間違っていないという感覚
・今の自分を肯定できる材料
・「何者かになれるかもしれない」という期待
資格取得は、それを一時的にくれる。
そんな時に、
・自信がなくて不安
・何かしら自分の強みが欲しい
・肩書や自分のスキル証明の代わり
などと、迷っている人ほど集めたくなるもの。
本当に必要なのは、資格ではなく自分への問いかけ
というところから、
資格を取る前に、
一つだけ考えてみてみませんか?
この資格を使って、
来月、私は何をするのか
ここが答えられないなら、
その資格はまだ必要ありませんよ。
逃げでもいい。
遠回りでもいい。
ただし、
資格はゴールではなく、
覚悟が決まった人の道具の一つだからです。
残念なことに、
世間というのは、
資格を持っている人を優遇してくれる場所ではありません。
評価されるのは、
実績に伴った資格を持っている人。
たとえ話:あなただったらどちらを選ぶ?
たとえば、
「今度ドライブに行こうよ!」と誘われた時、
運転免許を持っている方を選ぶ場面を想像してみてください。
免許はあるけど、
取ってから10年間ほぼ運転していない人と、
特別うまいわけではないが、
10年間ずっと運転し続けている人。
あなたならどちらの方を選びますか?
どちらも運転免許という国家資格をお持ちです。
私だったら。
自分の命がかかっているので10年間ずっと運転し続けている人。
たとえ話とはいえ、世間様ではそういった感覚。
あなたも、そういった感覚で人を品定めすることがあるかと。
それほどに、持っているだけでは信用はされません。
資格を取って活用して、実践してきた時間のほうが、はるかに物を言うモノかと。
だから、人生に迷ったら資格。
……ではないのです。
まず必要なのは、
小さくてもいいから
一度ハンドルを握ること。
資格は、走り出した人の横に置いておくもの。
走ってもいないのに
ダッシュボードに並べても、
どこにも連れていってはくれないのです。
何かしらのうたい文句もあながち間違っているわけではありません。
ですが、全ては行動が伴っていることが前提です。




