年末になると「今年は早かった」が共通語になる現象

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

バナー

12月に入ると、人は突然、時間評論家になる不思議。

会話の冒頭で必ず出る。

「いや〜、今年早かったですね」

天気の話より安全。
政治の話より揉めない。
年齢も性別も立場も関係ない。

今年の流行語大賞があるなら、間違いなくこれが最優秀賞かな。

誰一人、具体例を持ち合わせていない不思議

不思議なのはここから。

「どのへんが早かったんですか?」
と聞く人も、聞かれる人もいないことも多い。

産業カウンセリングで、
「どんなことが忙しかったかもう少し伺わせてください」と、つい言ってしまう失敗。
この質問は、この時期はタブー。
理由は、話の歯切れが急に悪くなることが多いから。

そして、返ってくる言葉の多くは

・気づいたら
・あっという間に
・なんかもう

全員、ふわっとした感覚が印象に残っている。

早かった理由は誰も説明できないのに、
「早かった」という結論だけは全員一致。

そんな謎に出くわすのも季節限定。

カレンダーだけが暴走している説

冷静に考えると不思議すぎる。

1月はちゃんと寒くて、
春は花粉で苦しんで、
夏は暑くて文句を言って、
秋は一瞬で終わった。

毎週どこかの曜日には必ずお休み。
毎月決まった時期にお給料をもらっている。
支払いも毎月決まった時期に引き落とし。

全部、いつも通り。

なのに12月になると、
なぜか時間だけがダッシュしていたことになる。

「今年を振り返る準備」が間に合っていない

「今年は早かったですね」の意味としてはこう。

まだ今年をちゃんと整理できてません
気持ちが追いついてません
とりあえず一言で片づけたいです

ってところから、それを全部まとめて言える。
そんな魔法の免罪符ワード。

そう、「今年を振り返る準備」が間に合っていない。
気持ちだけが全力疾走。

免罪符の言葉は誰に言っても通じる

そして素晴らしい日本語。
「いや〜、今年早かったですね」
という言葉は、角が立たずに、思った以上に共感する人も多い言葉。
そして、不思議な連帯感も得られる。

上司に言ってもOK。
取引先に言ってもOK。
初対面でもOK。

日本人であれば、最強の免罪符ということで、相手も納得と共感が得やすいのも事実。

たとえ、「いや、遅かったですよ」と
言ってしまうと、言った瞬間空気を壊す側になる。

まとめ:「今年は早かった」は円滑な人間関係を生む言葉

人は12月になると、

・振り返らなきゃ
・締めなきゃ
・ちゃんとしなきゃ

と思い始める。

でも間に合わない。
そこでピッタリな気持ちを表す言葉が「今年は早かった」かなぁ。
もちろん、来年の1月になったら、誰もこの話をしない。

そしてまた12月が来たら、毎年同じ顔で言う。

「いや〜、今年は早かったですね」
グレードアップすると、「今年は、更にあっという間でした!!」

毎年新鮮な顔で、同じセリフのリピート。
そんな不思議に「ふふっ」とできることが、沢山ちりばめられているのが年末。

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

鎌田千穂プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

業務改善と人材育成のプロ

鎌田千穂プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼