人を育てる
12月に増える風物相談内容
12月名物
──こころのお悩み相談室に増える「来年こそは変わります」宣言。
12月のこころのお悩み相談室は、いつもと空気が違う。
曇り空みたいな顔をして入ってきた人が、
椅子に座るなり深呼吸して、
唐突にこう言うもんです。
「来年こそは……変わります!」
この瞬間、毎年恒例の“12月シーズン到来”を感じる。
なぜなら12月のこころのお悩み相談室は、
ほぼ「人間の決意発表会」になるからだ。
12月という舞台装置の魔力
相談室の窓の外には、
寒風でカサカサ揺れる枯れ葉。
遠くから聞こえてくるクリスマスソング。
街の人がバタバタ走っている。
12月は、何かと“区切り感”を押しつけてくる季節。
そして人は区切りを前にすると、
なぜか突然、人生の大掃除を始めたくなる生き物なのだ。
こころのお悩み相談室に寄せられる「来年こそは」シリーズ
こころのお悩み相談室には以下のようなことで話が寄せられます。
そう、「来年こそは」シリーズ。
・ダラダラ仕事をやめたいです
・もっと自分を大事にしたいです
・人間関係を整理します
・健康になります
・転職します
・静かに暮らします
・静かに暮らしすぎて誰にも会ってません ←たまにいる
みんな一斉に未来を語り始める。
12月のこころのお悩み相談室は、
“人生の予約センター”みたいになる。
でも本当の理由はもっとシンプル
人は疲れきると、
「来年の自分」に希望を預ける習性がある。
これは逃げではなく、
脳のセルフ保護システムだ。
・今やるのは無理
・でも何もしないのもつらい
・だから未来に希望を置いておく
これは人間の健全な心理。
12月に「来年こそは」と言う人は、
むしろ回復力の高いタイプだということ。
だって、しんどい時ほど希望なんて描けなくなるものだから。
そして、毎年思うこと
「来年こそは変わります」と宣言する人を見ながら、
私は心の中でこう思う。
今年も来たか。
心は健全ですね。
先ずは一安心。
それ言えるうちは大丈夫です。
12月にだけ現れる“向上心”の証拠。
だからこそ、自分はダメだからと他者や自分を非難しなくても大丈夫。
最後に
12月に「来年こそは」と思ったなら、ちゃんと未来を見てる証拠。
来年変わるかどうかじゃない。
これまでの自分の行動が未来を整えているだけ。
「変わりたい」と思える心が残ってるなら、先ずは自分の伸びしろを自分が気が付くことが先。
とはいえ、それが思ったように整理できないもどかしさがある。
だからこそ、早めに産業カウンセリングにお越しください。




