インターネットの距離の取り方:クッキーを拒否する

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:この世界、知らんことだらけ

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メンタルヘルスの視点から見るクッキー設定

コロナ以降、情報との向き合い方が心に与える影響について統計をとる機会が増えました。
その中で、私が特に気になっているのが「クッキーの同意ボタン」です。

サイトを開くたびに、画面の下に表示される小さな通知。

「このサイトではクッキーを使用しています」


以前は、何も考えずに「同意する」を押していました。
ブラウザの設定もわからず、
サイトの指示どおりに情報を紐づけていたのです。

ですが現在は、設定を見直し。
ブラウザも用途に応じて使い分けるようになりました。

ログアウトして利用することや、
シークレットモードで検索することが日常化。

クッキーを拒否するという選び方は、私にとって「情報との距離を整える」こと。
見えない同意に流されず、自分の判断を保つための工夫でもあります。

クッキーって何?便利さとリスクの両面を知る

クッキーは、ウェブサイトがあなたのブラウザに保存する小さなデータファイルです。
主に以下の目的で使われます。

- ログイン状態の維持
- 言語や表示設定の保存
- 閲覧履歴に基づく広告の最適化
- アクセス解析によるサイト改善


便利な仕組みではあります。
それと同時に「あなたの行動履歴」が企業や広告ネットワークに共有される可能性も。

サイト運営者が少し知識を持っていれば、
個人の閲覧傾向を私的に活用することもできてしまうのです。

もし、情報の取得が悪意ある目的だったとしたら——。
そう考えると不安になりますよね。

あなたが「何を見てきたか」によって、
検索結果や広告が調整され、
次に表示される情報が決まっていく。

それは、知らないうちに誘導されている
ということでもあります。

“見たいものだけ”が並ぶ世界の落とし穴

クッキーによって最適化された情報は、過去の行動に合わせて表示されます。

見たいもの、
好きなもの、
安心できるもの
——それだけが並ぶ画面。

それは快適。
ですが、他の視点や知らない世界との接点が減っていくことは避けられません。

同じ意見ばかりが反響するエコーチェンバー現象を生み出す状況では、見失っているものの方が圧倒的に多い。

そうなると、検索に出てこないものは、存在していないことと同じ扱いになります。
そんな感覚が、私の中に残りました。

クッキーを拒否するという選び方が守るもの

クッキーを拒否すると、一部の機能が制限されることもあります。
広告が少し雑になったり、ログインが面倒になったり。
ですが、それも全てが「自分で選んだノイズ」なのかもしれません。

情報との関係に、少しだけ距離を置いてみる。

日常の行動で、何かあるとスマホやインターネット検索。
そこに頼り切ってしまった情報との関係に、少しだけ距離を置いてみることも大事。

それは、心の負荷を減らし、自分の体験から学ぶ。
自分らしいペースで判断するための選択肢。

こうした話は、産業カウンセリングの場だけでなく、メンタルヘルス講習会や企業研修でもお伝えしています。

スクリーンショットを見せながら、
実際の設定画面を一緒に確認することもあります。
それほど、心にも日常にも関わってくる大切なテーマなのです。

今すぐできる、情報との距離の整え方

ブラウザの設定から、クッキーの扱い方を調整できます。

たとえばChromeなら、
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サードパーティのクッキーをブロック」
クッキーの削除も、定期的に行うと少しだけ安心。


…とはいえ、この世に完璧なものはありません。
こうやって書いている間にも色々と仕組みは変わっていくからです。

インターネットの中にも、データという“ゴミ”が溜まります。
インターネットの情報を削除するお掃除だって必要。

また、金融機関やSNSなど情報を紐づけしないこと。
そのために、新しいメールアドレスを作って設定変更する。
そういった小さな手間が、万が一の被害を最小限に抑えられます。

スマホも同様で、トラッキング機能や同期設定を見直すことが大切。
信頼できるサイトであっても、判断はあなた次第。
情報を外に出すかどうかを自分の意志で選べるようにするとgoodです。

“近づきすぎない”という判断がもたらす安心

インターネットは便利です。だからこそ、構造を知って使うことが大切。

もともとインターネット事態が軍事技術から発展した背景があると言われているとはいえど、今は私たちの生活に深く根づいています。

だからこそ怖がる必要はありません。
ただ、情報を外に出すかどうかを、自分の意思で調整するだけ。

またクッキーのすべてを拒否する必要はありません。

「このサイトだけ拒否する」
「広告用だけオフにする」


などと、細かく選ぶこともできるからです。
そこから、信頼できる眼力も育まれそうですね。

情報とのつながり方を、自分の手で調整する。
それは、知らないことに触れるからこその予防でもあります。

情報との距離を、自分で決める

クッキーを拒否することは、誰かを否定する行為ではありません。
それは、情報とのつながり方を見直すという選び方。

すべてを知ろうとせず、
すべてに応えようとせず、
近づきすぎないことで見えてくるものがある。
そして、行動して初めてわかることもある。


後は、最近乗っ取りやなりすましも増えています。
なので、クッキーの同意をしているなら、
先ずはパスワードを変更することが先決かもしれませんよ。

もしあなたが、似たような違和感を抱いたことがあるなら——
このブログが、考えを整えるきっかけになれば幸いです。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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