ことばが触れる場所:感情の通訳としての表現を考える
朝晩が急に涼しくなりましたね~。
こういった時に、ココロは動きたくなる。
そこで振り返ると色々と先延ばしにしているものが気になり始めます。
「あとでやる」は、未来の自分への無言の圧力
「面倒くさい」に続いて伺う言葉。
それは「あとでやる」です。
この「あとでやる」って言葉は未来の自分への無言の圧力になりがち。
「あとでやるから、今日はいいや」
「今は忙しいし、落ち着いたらやろう」
そんな風にしつつ“未来の自分”に「やらないといけないと思っていること」を預けがち。
ですが、その未来の自分も、きっと「後でいいや」って言う。
そしてまた、さらに未来の自分に「やらないといけないと思っていること」を押しつける。
気づけば、何日も、何週間も、同じタスクが頭の片隅に居座り続けることになります。
先日のセッションで出てきた話
ある方が、社内の報告書をずっと後回しにしていたようです。
会話の初めの方では、少し自己弁護気味。
「別に急ぎじゃないし、誰も困ってないから」とおっしゃっていました。
しばらく、お話を聴いていくうちに、
実はその報告書を書くにあたって、上司に確認を取らなければならない項目がある。
それが「ちょっと聞きづらい」と感じていたとわかりました。
ここからが産業カウンセリングの見せどころ
そこから、もう少し深掘り。
深堀の仕方は、その人の心の状態で変化させていきます。
ようは聞きづらいと感じていることに対して伺っていくだけですね。
頭の整理が進み、論点が整理でき始めると、だんだんと心の声が言語化されます。
断られたらどうしよう。
面倒なやり取りになるかもしれない。
やり直しって言われたらどうしよう。
どうやら、そういった揺れる気持ちが、
「急ぎじゃないから」という言い訳にすり替わっていたのです。
…とはいえ、報告書はずっと気になっていた。
頭の中では何度も思い出していた。
そのたびに、「あとでやろう」と未来の自分に押しつけていた。
というところで、終わるまで自分が自分に圧力をかけていたわけです。
行動してみたら、意外とすんなり進んだ
セッションのあと、思い切って上司に確認を取ってみたそうです。
すると、拍子抜けするほどあっさりと答えてくれて、
報告書もその日のうちに完成したとのことでした。
「なんでこんなに引き延ばしてたんだろう」
「未来の自分に押しつけ続けて、結局ずっと気になってた」
「なんだか、独りよがりに捉えて大きく考えすぎていた。」
そう振り返っていた姿が印象的でした。
先延ばしは、未来の自分への無言の圧力。
その圧力は、静かにストレスとして積もっていきます。
そして、このことが9月になると「そうなりやすいスイッチ」が入りやすくて、妙に増えていくのです。
定期的に接書を入れていると、
早い段階でスイッチがオフにできる。
そうすると、この方のように2週間程度で終わるんです。
そうじゃない場合は、負のスイッチは深みにはまりやすいことが難点。
まとめ
「あとでやる」は、未来の自分に仕事を押しつけているだけ。
ですが、その未来の自分も、きっと「あとでやろう」と言う。
そしてまた、さらに未来へと押し流してしまう。
やらなきゃと思っているのに動けないとき、
それは怠けではなく、何かに“聞きづらさ”や“断られそう”という不安があるのかもしれませんね。
その不安を「急ぎじゃないから」と言い換えてしまうと、未来の自分が困ることになる。
だからこそ、少しだけ立ち止まって、
「本当に今じゃなくていいのか」
「何が気になっているのか」
未来の自分が、今の自分の言い訳に困らないように。
そんな問いを、自分に向けてみてもいいかもしれません。
動けない、動かない、「あとでやろう」という自分がいるとき。
産業カウンセリングで心の縛りを解いてみることをおススメします。
これを読んでいる方の中に「なんだか自分みたいだ…。」と感じても、
気になるけど「あとでやろう」って思っていたら。。。
それこそが負のスイッチが入っている証拠ですよ。




