福岡の偉人:福岡市 異色作家の夢野久作『ドグラ・マグラ』

さぁ、今週も金曜日になりました。
福岡を語る上で、忘れてはならない偉人伝。
毎週金曜日のお約束。
今日は、北九州市小倉出身の岩下俊作(いわした しゅんさく/1906年~1980年)
『富島松五郎伝』などを著した小説家のお話です。
無骨な優しさは、時代を超えて響く
岩下俊作氏は、福岡・北九州の街で、八幡製鉄所に勤めながら小説を書き続けた人。
文壇の華やかさとは無縁。
ですが、働きながらペンを持ち、世に自分の作品を送り出しています。
富島松五郎伝が映画化
映画の大本の作品は『富島松五郎伝』。
「無法松の一生」という映画の方が世には知れ渡っています。
無法松と聞くと、なんだか荒っぽい男の話かな?と思うかもしれませんね。
その中身は、繊細で、優しくて、ちょっと切ない物語。
無法松と言われた男の生き方
主人公の富島松五郎。
喧嘩っ早くて、口も悪い。
ですが、いじめられてる子どもを見たら黙っていられない人情派。
亡くなった父親の代わりに、少年の成長を見守り続ける。
好きな人がいても、身分の違いを思って一歩引く。
…なんかもう、昭和の不器用男子代表って感じです。
でもね、そんな松五郎の姿に、観客は泣くんです。
「こんな人、今の時代にもいてほしい」って。
岩下俊作のすごさって?
岩下俊作氏は、文学賞に何度もノミネートされながら、結局受賞はできませんでした。
…でも、書くのをやめなかった。
八幡製鉄所で働きながら、
地元の文学同人誌を立ち上げ若手を育てる。
“地方からでも文化は育てられる”ってことを、身をもって証明した人です。
できることを探して動きを止めない姿はお手本
日常で上手くいかないと諦めてしまうことってありますね。
やったこともないのに、最初から「できない」と決めつけてしまうことも多々。
だからこそ、折れない心を育てることって大事かと。
折れない心を育てるには
- 評価されなくても、自分の言葉を信じること
- 優しさは、派手じゃなくても伝わること
- 誰かの人生に、関心を持ってつながる尊さ
- 自分自身が、自分の人生や生きざまに敬意をもつこと
ではないでしょうか?
もし今、何かを始めようか迷っているなら
もし自分が下記のように迷っていたとしたら
こんなことして意味があるんだろうか?
私なんかがこんなことをしても意味がないかも。
才能がある人がやるもんで、自分にはやる資格がない
周囲の人から反対されるから、どうせ無理なんだ
という考え方であるなら、
それは「何かを始めよう」としている自分を自分が押さえつけているだけ。
そんなふうに思っている人がいたら、岩下俊作を思い出してはいかがでしょうか?
岩下俊作は、誰かに拍手されるためじゃなく、
“人間って、いいな”と思える物語を、黙々と書き続けました。
その姿勢は、今も誰かの心を動かしています。
そしてきっと、あなたも動き続けると可能なことがわかってくる。
金曜日の朝。
ちょっと不器用でも、優しさを信じてみませんか。
それだけで、世界は少しだけ、あったかくなる。



