全国の標本が地図になる:誰でも使える最新AIビッグデータ

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:激変する時代こそ聡明である秘訣

日本の生物多様性情報システム
今日のお話は、私が感動して面白い!と思ったお話です。
そうそれは電子地図。
それも、手作業で作られた標本と手書きの記録が、未来の地図になっているなんて…。

「標本」と聞いて、理科室の棚に並んだ虫たちを思い出す人もいるかもしれません。

このあまり触れることのない
全国の博物館や大学に眠っていた標本たちが、
今、誰でも使える“地図”として動き出しています。

今回、「これが無料??凄い!!面白い!」と感じたものは
日本の生物多様性情報システムです。

沖縄発!大学立ち上げstart up企業

琉球大学理学部の久保田教授たちが、
2010年から地道に集めてきた膨大な自然記録。

手書きの標本ラベルや古い台帳まで含めて、
全国の博物館や研究者、市民が残してきた情報を、
一つひとつ拾い上げてデータ化し、解析しています。

そして今回、その研究チームが立ち上げた株式会社シンクネイチャーと共同で、日本の生物多様性情報システムというウェブサービスを開発。
現在、誰でも無料で使えるようになっています。

最新AI技術と合わさった分布図

このシステム、ただの地図じゃありませんでした。
日本全国の生き物の分布や変化を、細かく・深く・広く見られる仕組み。

そのデータの質と量、解析の技術は、世界でも類を見ないレベルだそうです。

そして、使い道が幅広い。
保全政策の裏付けとしても、教育の教材としても、
さらにはレジャーや地域づくりのヒントとしても活用できる。

「専門家しか使えないんでしょ?」と思っていたら、
ちょっと損かもしれません。

将来的には、地図で“自然との接点”として、もっと身近なインフラになっていくことを目指しているようです。

手書きのラベル、採集された日付、場所──
その標本の一つひとつの記録が、可視化。

一目でわかる地図になっただけでなく、
直ぐに検索して絞って調査情報を瞬時に受け取ることができる。

そんな夢のようなデジタル地図が誰かの手に届く。
後は使う人が関心を持って使いつぶすくらいになると面白い!

子どもの頃の夏休みの自由研究に想いを馳せて

気づけば、小学生だったあの夏に心がふっと戻っていました。
自由研究で感じた「これって何なんだろう?」という小さな疑問や、
答えが見つからずにもやもやしていた気持ち。

今なら、このシステムがあれば、あの時の手探りが一気に晴れていたかもしれない。
そんなことを思ったら、あの頃の自分に「今、ちゃんと答えがあるよ」と、教えたくなりました。

1. 拾われた一瞬が、今につながる

標本って、誰かが「これ、残しておこう」と思った瞬間のかたまり。

たとえば1970年代に採集されたチョウの標本。
ラベルには「福岡県早良区小田部」と手書きで書かれていたとします。

今では見かけなくなったその種が、かつてこの場所にいた。
それって、どうしてそうなった??
今はこの場所にないのか??

という疑問が生まれます。

そういったことを通じて、
誰かの手で拾われた一瞬が、今の地図に点を打ってくれる。
過去と現在が、自分の中で腹落ちしてつながる感じです。

2. 地図の中に、見えなかった季節が浮かび上がる

現地調査だけでは見えないものがあります。

たとえば「この植物、最近見ないね」と言われていたものが、
標本の記録から「昔はここにいた」とわかることも。

それが全国規模で集まると、地図の中に“見えなかった季節”が浮かび上がってくる。

どの時期に、どの場所で、どんな生き物がいたのか。
まるで、自然という言語で記録をつけていたみたいです。
しかもその記録が、言語がわからないすべての人でも読めるんです。

3. 誰でも開ける、自然の記録庫

そして、この地図は、研究者だけのものじゃありません。
誰でもアクセスできて、誰でも使える。

地域の環境教育に使ったり、
DIY型コミュニティオフィスでのワークショップに活かしたり。
持続可能な開発について目を向けることもできる。
使い方についての妄想がどんどん広がります。

「専門的な知識がないと使えない」と思われがちなデータが、
実はめちゃくちゃ身近で、実践にも使えるって、ちょっと得した気分になりました。

そのうえ、このデータの使い方に正解はない。
「こんなふうに使ってみた」って話が、次の使い方のヒントになる。
なんなら、ちょっとした遊び心もありなんですもの。

まとめ:記録が動き出すと話したくなる

標本は、ただ保管されているだけじゃない。
記録として動き出すことで、「あれ?これって…」と気づくことが増えてくる。

昔はこんな生き物がいたんだよ
この地域、実はすごいんだよ


そんな話をはじめると、聞いてる人もつい身を乗り出す。

そしてその話が、誰かの手に届いて、次の記録につながっていく。
私たちがこの地図を使って一番に着手するのは

「昔はこんな生き物がいたんだよ」と言わない未来ではないでしょうか?

お子さんがいらっしゃるご家庭だったら、
夏休みの宿題を通じて、一緒に考える時間を共有出来たいいですよね。

私は、成人した子どもたちに、このマップのことを話す予定です。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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