保育士の離職防止に備える文字分析の活用方法
同じ石鹸でも、「除菌」「抗菌」と書かれたパッケージの方が、なんだか“効きそう”に感じてしまう。
実際には、どれも基本的な洗浄力は持っているのに、言葉の印象だけで購入されることの方が多いと伺う機会。
そんな商品選びの小さな違和感から、私たちが持っている「言葉への感覚」について考えてみたくなりました。
1. “意味”よりも“印象”が勝つとき
現代は情報過多の時代。すべてを吟味して選ぶのではなく、
よくわからんけど。
なんとなく安心だから…。
効きそうだから…。
不安を消してくれそうだから…。
(´^`).。oஇ
という感覚ベースの選択が増えています。
言葉には、意味以上に“雰囲気”や“感情の手触り”が宿っている。
私たちはそれを無意識のうちに頼りにしています。
~例~
- 「除菌」→ 清潔・安全・守られている感じ
- 「女性用」→ 優しい・繊細・華やか
- 「男性用」→ 強力・頼れる・無骨
商品そのものより、ラベルの言葉によって安心感や行動が決まってしまうこともあるのです。
2. 言葉は“心理の通訳”になる
産業カウンセラーとして、私は日々「人がどの言葉に安心を覚え、どの言葉に抵抗を感じるか」に耳を傾けています。
職場の「相談窓口」という呼び名が堅苦しく感じる人もいれば、
「話せる場所」と表現するとスッと来る人もいる。
言葉は、単なる情報伝達ではなく、人の心を動かす鍵。
「あなたを理解していますよ」
「あなたの不安を受け止めます」
というメッセージは、
ときにラベルのひと言に込められていることもあるのです。
3. 歴史の中の“言葉選び”から学ぶこと
言葉には流行があり、政治や宗教、文化がそれに大きく影響してきました。
たとえば江戸時代の「薬の名前」には、意味より語感が重視され、
「まむし丸」「虎骨酒」など、強さの象徴がそのまま商品名に。
現代でいえば、「〇〇強力」や「〇〇MAX」がその系譜かもしれません。
歴史を辿ると、人の不安に寄り添いながら、安心感を“名付ける”文化が見えてきます。
それは現代の商品でも、サービスでも、同じように生きているのです。
まとめ:言葉に惹かれるという人間らしさを認識
私たちは、正しさより“感じのよさ”を頼りに選ぶことがあります。
それは、不正確というより、感覚と感情に寄り添いたいという人間らしさかもしれません。
商品を通して「自分を整える感覚」に近づきたい。
言葉を通して「自分に合った安心」を選び取りたい。
そんな思いが、"除菌"というラベルに込められているとしたら…。
そこから始まる「気づきの連鎖」に、少し目を向けてみませんか。




