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さぁ、今週も金曜日になりました。
福岡を語る上で、忘れてはならない偉人伝。
毎週金曜日のお約束。
今日は、福岡県みやこ町出身の小宮豊隆(1884-1966)のお話です。
明治から昭和にかけて日本文学に深く関わった人物であり、夏目漱石『三四郎』のモデルと言われています。
目次
焦らなくても大丈夫
4月に入社すると、もれなくついてくる経験を高める機会。
そして、5月は〝できるようになる自分〟を懸命に育てる時期。
とはいえ、6月後の今頃は〝できない自分に焦る〟気持ちが芽生える時期。
周囲の人が眩しく見えるスイッチが入りやすい。
ですが、そんな風にあなたにとって眩しく見えている人達でさえも、実は〝できない自分に焦る〟ことで一生懸命に頑張っている姿がそう見えているだけなのかも。
小宮豊隆という静かな羅針盤
だからこそ、今日は小宮豊隆を通じて、自分の思考を整える機会にしませんか?
自分に何ができるのか分からない
転職してもうまくやっていける自信がない
就職したは良いが、思ったよりも覚えられない自分に歯がゆい
そんな気持ちを抱えながら、今を生きているあなた。
今日は、福岡県みやこ町出身の小宮豊隆(こみや・とよたか)という人物をご紹介します。
小宮豊隆は、大きな賞や名声を追いかけたわけではありません。
ですが、迷いながらも目の前のことに誠実に向き合い、自分の道を静かに築いていった人。
そんな小宮豊隆の生き方が、今のあなたの心にそっと寄り添ってくれるかもしれません。
原点:本と向き合った少年時代
明治17(1884)年、仲津郡久富村(現みやこ町犀川久富)。
福岡の田舎町に生まれた小宮豊隆は、11歳で父を亡くし、母と祖母に育てられました。
裕福な家庭で育ち、静かに本と向き合う日々を過ごしていたようです。
出会いが人生を照らすことがある
豊津高等小学校を卒業後、福岡県立豊津中学校(現育徳館高等学校)、第一高等学校(現東京大学)へと進み、明治38(1905)年、東京帝国大学独文科に入学。
大学時代に従兄の紹介で夏目漱石と出会ったことが、小宮豊隆の人生を少しずつ変えていきました。
夏目漱石の「木曜会」に通い、やがて夏目漱石研究の第一人者に。
全集の編纂や蔵書の保存にも尽力しました。
ですが、それは名誉のためではなく、「自分にできることを、丁寧に果たす」こと。
そんな生き方の延長だったのではないでしょうか。
夏目漱石の死後、小宮豊隆は「漱石全集」の編纂や、漱石の書斎の蔵書を東北大学附属図書館へ移すなど、師の遺産を次世代へつなぐ役割を果たしました。
また、著書『夏目漱石』(岩波書店)は日本芸術院賞も受賞し、漱石研究の金字塔とされています。
ゆっくりでも、深く育てていく
小宮豊隆はドイツ文学を専門としながら、能や歌舞伎、芭蕉俳句など日本文化全般に深い洞察を示した評論も残しています。
芭蕉の句をめぐる齋藤茂吉との論争期間は2年ほど。
その知の情熱を物語る逸話のひとつとなっています。
教えることは生き方を伝えること
晩年は東京音楽学校の校長や学習院女子短期大学の初代学長を務め、教育者としても多くの人材を育てました。
時に保守的とも取られる発言もあったようですが、それは「芸術とは何か」を真剣に問い続けた人の、時代を超えた信念の表れだったのかもしれません。
おわりに:本当の出会いは画面の向こう側にある
小宮豊隆の人生が大きく動き出したのは、夏目漱石という〝人〟と出会い。
顔を合わせ、言葉を交わし、共に時間を過ごしたことがきっかけでした。
そこには、ネットでは得られない、空気や沈黙を含んだ“本物の対話”がある。
私たちはつい、答えを探してインターネットを眺めてしまいます。
ですが、心が動くような出会いや、自分の本当の声に気づける瞬間は部屋の外にある。
──誰かと時間を分かち合う現実の中に、そっと潜んでいるのかもしれません。
思いがけない出会いは運命を育む一つのきっかけ
今あなたが、続けていること。
ちょっと迷いながらも、飛び込んでみようとしていること。
その先に、思いもよらない出会いや、自分自身への気づきが、きっと待っているはずです。
焦らなくていい。あなたの歩みは、静かでも確かに、あなただけの次の景色へとつながっています。
…とはいえ、自分のことは、自分がいちばん見えにくいから。
ときには、誰かと一緒に“心の整理”をする時間を持ってもいいのかもしれません。
東北大学附属図書館調査研究室年報
https://tohoku.repo.nii.ac.jp/records/2003633
福岡県みやこ町
https://www.town.miyako.lg.jp/rekisiminnzoku/kankou/person/komiya_toyotaka.html
漱石山房記念館
https://soseki-museum.jp/tenji_archives/11019/



