ゴールデンウィークの没入感と社会復帰ショック:「エコーチェンバー現象」

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

エコーチェンバー現象
ゴールデンウィークを楽しんでいますか?
目覚ましオフ、好きなことに没頭、最高の時間。

私は、引きこもりでリラックスタイムを堪能しています。

さて、そんな中で、「没入感」が社会復帰の難易度を上げる一因になることってあるある。
もしくは、難易度が高く感じやすくなることに気づいていますか?

この楽しい時間には、「エコーチェンバー現象」というワナが潜んでいます。
…今は最高だけど、あとでちょっとだけ覚悟しとこ。
という気持ちが頭の隅にあるときくらいなら大丈夫。

だけど、「エコーチェンバー現象」に浸ってしまうと現実世界が厳しく感じがちです。
今日は、そんな心理現象と作用について話します。

エコーチェンバー現象とは?

エコーチェンバー現象って何かと思われる方も多いかと。
総務省ではITネイティブなど子どもの心理面に対する注意喚起として伝えられている現象です。

令和の新人は、この影響を受けやすいのかというとそうでもなく。
世の中のすべての人に起こりうる現象です。

エコーチェンバー現象

では、どんなことなのかというと

同じ意見ばかりが反響し続ける環境にいることで、
考え方が強化され、
異なる視点を受け入れにくくなる現象


のこと。

特にSNSやネット掲示板ではこの傾向が強くなります。
怖いのは、気づかぬうちに「偏った世界」にいるということです。
例えば、

  • 推し活コミュニティで「このキャラこそが至高」という意見ばかりに触れていると、異なるキャラの魅力に対して冷淡になる
  • 投資系のグループで「この手法が絶対に儲かる」という話ばかり読んでいると、リスクを無視してしまう
  • 健康情報を追いかけすぎて「これ以外の食生活は不健康」と極端に考えるようになる

いわゆる、「好きなことや関心があることだけに集中できる」という特権的な時間が続くことで、異なる価値観に触れる機会が激減する。

その結果、連休明けに「現実社会とのギャップ」が強烈にのしかかることになります。
ゴールデンウィークは、このエコーチェンバーにどっぷり浸かりやすい期間です。

社会復帰ショックが起こる理由

① 「最高の時間」を過ごしていたのに、急に普通の毎日へ

連休中は楽しいことだらけだったのに、休み明けには「通常運転」。
「あれ?このギャップ、予想以上にキツくない?」

② 気の合う人とだけ過ごした → 会社はそうじゃない

SNSや趣味の仲間とだけ交流していたのに、仕事では多様な価値観の人がいる。
「この人間関係、カスタマイズできたらいいのに…」

③ 現実の厳しさを忘れすぎていた

ポジティブな話題ばかりに触れていたせいで、仕事や社会のプレッシャーを忘れすぎた。
「…ちょっと現実、優しくして?」

スムーズな社会復帰のためにできること

“ 今は最高だけど、あとでちょっとだけ覚悟しとこ ”って考えるのでしたら、自分の心の立て直し対策を計画しておくとgood

スケールの大きなことを考えがちですが、心が疲れるとそうも言ってられない。
だからこそ、近場で軽く取り入れやすいことを計画することが一番!

例えば、、、。

① 意識的に「異なる情報」に触れる

休み明けの社会復帰をスムーズにするには、連休中も少しずつ「現実の話題」にも目を向けることが大事。
「連休後の予定や仕事の流れを、少しだけ確認しておこう」

② 連休明けにリハビリとして「楽しい予定」を混ぜる

一気に現実へ戻らず、休み明けも楽しめる工夫を。
「休み明けのランチはちょっと豪華に」
「金曜の夜に好きな映画を入れておく」

③ 自分の情報環境をチェックする

最近の検索履歴やSNSのタイムラインを振り返って、自分がどんな世界にどっぷり浸かっていたかを確認。
「あれ…趣味の話題しか調べてなかった…?」

まとめ

この「エコーチェンバー現象」って、日常の中で過ごすグループの話題でも生まれます。

  • 愚痴や不満を言う人たちの中にいれば、自分のいる業界の全てがそうじゃないかと思い込む。
  • できる人たちの中にいればいるほど、自分ができない人間じゃないかと劣等感が強くなる。


今はゴールデンウィークを存分に楽しみながら、ほんの少しだけ社会復帰の準備も意識しておくと、休み明けがスムーズに。

連休明けの「情報の壁」に備えて、ほどよく現実世界とも接点を持っておくと、ダメージを減らせるかもしれません。

~ちょっと余談~
…とはいえ、私も「エコーチェンバー現象」にどっぷりと浸っていた一人でした。
世界を飛び回り、国の出先機関として動くような敏腕士業陣の中にいると、私は口が裂けても「経営コンサルだとは言えない!」と強く思っていました。

ですが、クラファンを始めたときに、強く思っていたことの壁に当たるわけです。
その中で、一人の支援者が私に伝えてくださった言葉にハッとさせられるのです。

あなたは、「人の知らない情報を持ち、あなたが凄いと思う方々を束ねている方なんですよ。」とおっしゃってくださいました。
そして、もう一つ。
「そのグループから出ると情報を欲しいと思っている方々からすると「凄い人」なんです。」

そう、知らぬまに。
気が付くと「井戸の中の蛙」になっているわけです。
大人になればなるほど、年を重ねれば重ねるほど、何かを言い訳に「やらないことを正当化」する自分に出くわします。

人生は、機会をつかみ取る行動とそこから得た学びの連続ですね。

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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