リーダーシップにおける質問の力

そろそろ聞こえ始める声…。
「最近の新人、入ってもすぐ辞めるんだよなぁ…」と嘆く前に
「あれ?新人どこ行った?」
「え、もう辞めちゃったの?早くない?」
連休明けからそんな会話が増える時期です。
人事の悩みの一つに新人の定着率が低い…。
これ、もう職場のあるある化しつつありますよね。
せっかく採用したのに、「この仕事、合わないかも…」と早々に離脱されてしまう。
これはもはや企業の慢性的な悩みともいえます。
そして、落胆からくる残念な気持ちの裏返しが起こります。
そして。もう一つ聞こえ始める声。
「根性がない」
「辛抱が足らない」
…ですが、少しお待ちを。
新人がすぐ辞める本当の理由は
“根性がないこと” や “辛抱が足らない” だけなんでしょうか?
実は、辞めたくなるのにはちゃんと理由があるんです。
新人が「辞めたい…」と思う瞬間
その1:質問したら空気が凍る
「何か分からないことがあったら聞いてね!」
って言われたのに、勇気を出して質問すると、
「そんなの常識でしょ?」
「え、まだ理解してないの?」
「そろそろ、自分で考えて判断してみない?」
…そんな雰囲気になったら、新人の心は動揺しまくり。
ヽ(´Д`; ≡ ;´Д`)丿オロオロ
そして、突然にポッキリ折れてしまいがち。
…とはいえ、私も「え?それって、どうしてわからないの?」と思うこともあります。
また、言葉に「どうして??」と出ちゃうこともありあり。
気が付いたら互いのために後フォローをしっかりと
ついつい心の声が口から洩れてしまうことは誰しも起こりうる。
大事なことは、「わるかったな」と思ったら後からフォローをすること。
「言い方が厳しく聞こえていたら、本当にごめんなさいね。教え方に慣れていなくて。」と、自分の心の内を言語化して詫びること。
そして、もう一度聞きなおして、話して関係を深めていく対応力と適応力のUPを続けていきましょう。
その2:仕事の全体像が分からない
「今後、この仕事で成長できるのかな…」
と思っても、誰もキャリアパスを示してくれない。
「このままずっと単純作業だけ?」という不安がやってきます。
気づけば転職サイトを眺めている…なんてことに。
デジタルネイティブだからこそ働く目的を明確に
デジタル化が加速している昨今、学校教育が単純作業を自動化に切り替え始めています。
そのことが当たり前になっているデジタルネイティブ。
単純作業を人間が行う必要性に疑問が生まれます。
反面、単純作業の意味や目的へ理解が必要がなくなってしまっているのです。
企業は社会の公の器として認識を深める
今どきの学校教育は人手不足による合理的な発想が求められています。
代わりに、自分たちのあたりまえのことを学びそこなっている。
そう、喜怒哀楽をもとにした、理論と理屈による倫理観を学びそこなっているんです。
そうなると、企業側に「働くとは何ぞや?」の意義や目的を学ぶ機会が必要になる。
早期離職を予防のためにも、社会の公の器として認識を深めることが求められています。
- 社是や経営理念、行動指針は明確でしょうか?
- 自分の仕事が将来どこにつながっているのか。
- その行動が人の成長を促し、人が会社を育てていることを伝えられていますか?
社是や経営理念、行動指針を明確にし、働く意義を育むことが求められています。
その3:「ミスしたら終わり」な職場
「ミスしないように気をつけて!」と言われると、新人は怖くて何もできなくなります。
ミスのことばかり気にして、ひとつひとつ確認を取ってからでないと進むことも戻ることもできなくなる。
接する相手が変わっているのに、自分が切替わっていない。
挙句には、自分が手がいっぱいで忙しいからこそ「手を煩わせないで!」という気持ちが生まれれる。
そうすると、
「一度教えたら、もうできる人」という誤認識
「わからなくても聞けない」という雰囲気
「自分で考えられるでしょう」という勘違い
という、錯覚と思い違いを生み出してしまいやすくなるもの。
「新人なんだから、多少のミスはあるよ~」くらいの気持ちで接する。
そして、今日お互いが初めて会ったもの同士と心得る。
新人対応側も新人も人間関係は出会ってからの期間だけしか構築できていません。
持ってあげることが、続けたい職場への第一歩。
遊びのない状態では、心理的な不安は増幅
忙しいからこそ、人手不足を言い訳にしてしまわない。
「デジタルが肩代わりできる仕事」の整理を行って、作業効率を上げていくことが近道。
どうしたら新人が「続けたい!」と思える?
文章だけ読むと簡単に感じます。
実際は、歴史がある企業であればあるほど、業務整理が必要になるもの。
1. 「安心して働ける」を職場の文化にする
心理的安全性を高めることが先。
新人は落ち着いて仕事ができるようになります。
例えば…
質問には「いい質問だね!」と褒める文化を作る
ミスを責めるのではなく、「どうすれば次は防げるか」を考える
新人が「ミスしたら即終了」のプレッシャーから解放されるだけでも、働き続ける気持ちが強まります。
2. デジタルツールで「何をすればいいか分からない」を解決
「どこに何を提出すればいいの?」という基本的な質問をAIやFAQで即座に解決。
チャットボットで新人の初期の疑問を減らし、「質問しづらい空気」をなくす。
「何をすればいいのか分からない!」は新人が辞める大きな要因。
そこを事前に解決しておけば、職場に定着しやすくなります。
3. 産業カウンセリングで「ここで働き続けてもいいかも!」
「仕事の悩みって誰に相談したらいいの?」という新人の不安に答えられる仕組みが大事。
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会では全国展開企業の新人フォローをはじめ、産業カウンセリングを通じて定着率をぐっと上げている実績を作り続けています。
もちろん、大なり小なり企業形態もあるので先ずは導入しやすいところからがgood!
各支部やこちらにお問い合わせくださいませ。
産業カウンセラーと連携するメリット
産業カウンセラーを活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
新人が孤立しない環境を作る
「辞めたい…」と思う前に、悩みをキャッチ!
小さな不安の段階で相談できる場所を提供する。
認知のゆがみを解いて職場の人間関係を改善
仕事以外のコミュニケーションの場を増やすことで、職場でのつながりを深める。
「この職場、居心地いいな…」と思える関係性を作る。
新人の成長を後押しする
目標を持つことは大事。
「半年後にはこのスキルを身につけよう!」というキャリアプランを明確にする。
「何となく働いている…」から「ここで成長できる!」にシフトする環境を整える。
…とはいえ、このキャリアプラン立てたよね?という問いかけはNG。
キャリアプランを通じて、
・戸惑っていること
・実際やってみたら思い違いがあったこと
・体験から何を学んだか
を問いかけることが始まりです。
まとめ
結局、辞めたくなる理由根っこの部分は「不安」と「孤立」が占める。
新人が辞めてしまうのは、ただ「職場が合わないから」ではなく、
「この職場でやっていける気がしない」から。
だからこそ、安心して働ける環境を作り、
「ミスしても大丈夫」「聞いてもいい」文化を育むことが重要。
そして、産業カウンセリングを導入することで、
新人が自分の悩みを誰かに相談できる場所を作ることが、職場定着のカギになります。
「最近の新人はすぐ辞める」なんてぼやく前に、時代変化へ意識を向けて変革すること。
新人が「ここで長く働きたい」と思える未来がやってくるはずです。



