資格取得ジプシーとターゲティング戦略の罠

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:激変する時代こそ聡明である秘訣

産業カウンセラーの鎌田千穂です。
チホズスタジオは福岡市に拠点を置き、オンラインや訪問をあわせた産業カウンセリングを実施。
他にも実施していることは

  • 産業カウンセリング及びコンサルティング。
  • 人材育成の仕組みづくりのための自発的行動を促す教育研修。
  • 「業務改善・組織変革」の企画提案実施。
  • チホズ文字分析による人材分析及び提案。

bonbon
資格取得がキャリアアップの魔法の鍵だと思っていませんか?
実は、その背後には巧妙な戦略が隠されていて、気づかないうちにその罠にハマっているかもしれません。

本記事では、資格取得ジプシーとターゲティング戦略の罠について解き明かします。

資格取得ジプシー現象

まず、資格取得ジプシーとは何かを理解することから始めましょう。

資格取得ジプシーとは、次々と資格を取得し続けるものの、その効果や目的を見失いがちな人々のことを指します。

意味不明な資格の多さ

採用をしていた頃、履歴書や職務経歴書に連なる資格の多さに疑問を持つことがありました。
ですが、それは職業の中では全く関連性のないものも多々。
その上、聞いたことがない民間資格がゾロゾロとあって。。。

何気に聞いてみると、〇〇資格があると仕事に役立つと書いてあったとかで。
完全に資格取得やスクールビジネスの罠にはまっている方もいて他人とはいえ心配になるほどに。

なぜこの現象が起こるのか、いくつかの要因を見ていきましょう。

過大な期待と現実のギャップ

資格を取得すればすぐに高収入の仕事が手に入ると信じさせられている。
最近では有料で勉強をしたら、すぐにでも大金が手に入る仕事ができるというものも。

現実はそんなに甘くありません。
実務経験や人脈も大事な要素。
魅力満載の甘い言葉で本当かどうかもわからない。
不安な心に入り込み、次々と新しい資格を追い求める原因になっているようです。

競争社会のプレッシャー

周りがうまく言っているように感じると劣等感が強くなりがち。
自分が優位に立ちたいと感じると就職活動に役に立つ武器が欲しくなる。

特に就職活動がうまくいかないことが続くと心の支えが欲しくなる。
そうすると、あれもこれも必要だと感じるスイッチがオンになる。
不安で心が弱くなると、冷静に考える力が削がれるからかもしれません。

巧妙に仕組まれたターゲティング戦略

資格取得ジプシーが生まれる背景には、巧妙に仕組まれたターゲティング戦略があります。
この戦略がどのように人々を引き込み、資格取得の無限ループに陥らせるのか。

そのことを次に見ていきましょう。

ターゲティング戦略の罠

資格取得ビジネスは、多くの人々を引き込むために様々な手法を駆使しています。
特にリスティング広告とターゲティング広告が、資格取得ジプシーを増やすための強力なツールとして利用されています。

リスティング広告

検索エンジンの検索結果ページに表示される広告のこと。
ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、そのキーワードに関連する広告が表示されます。
これにより、資格に関心のあるユーザーに対してピンポイントで広告が届けられる仕組み。

ターゲティング広告

ユーザーの行動履歴や興味関心に基づいて表示される広告のこと。
SNSやウェブサイトでの閲覧履歴から、資格に関心があると判断されたユーザーに対して広告が表示されます。

これにより、資格取得に関心のあるユーザーに効率的にリーチします。
これらの広告戦略が、資格取得ジプシーを引き起こす大きな要因となっているようです。

ターゲティング戦略の具体的な内容

広告戦略がわかると心理的操作で誘導します。
次に、具体的な戦略を見ていきましょう

パーソナライズドマーケティング

リスティング広告やターゲティング広告を使って、「この資格があなたにぴったり!」と個々のユーザーにアピールします。

「あなたのキャリアに必要な資格はこれ!」というメッセージを送り、個別対応のマーケティングです。

成功事例の強調

「この資格を取得して年収が○倍になりました!」といった成功事例を強調し、資格取得が成功への鍵であるかのように見せかけます。

これにより、ユーザーにさらなる資格取得への動機付けを行うようにする仕組み。

限定オファーやキャンペーン

「今だけ半額!」といった限定オファーやキャンペーンを通じて、急いで資格を取得させるプレッシャーをかけます。
ついつい「今買わないと損!」と感じてしまうような気持ちにさせる誘導。

心理的トリガーの利用

フォモ(FOMO: Fear Of Missing Out)という心理的トリガーを利用。
FOMOとは、「自分が重要な何かを見逃しているかもしれない」という不安感のことです。

「多くの人がこの資格を取得しています」といった文句でユーザーに資格取得の必要性を感じさせ心理状況を煽る方法。

まとめ

資格取得ジプシーの現象は、巧妙なターゲティング戦略の結果として引き起こされることが多いのも事実。

中には「それはおかしいな」と最初は感じたとしても、その情報を何度も見ていくうちに「やってみようか」と手を出すことも多々。

この罠から抜け出すには、あなたが抱える不安な現状打破から始まります。
現状打破には未来を見据えて自分のキャリア目標やライフプランを明確にすることが大事。

早めに自分のライフプランを明確にして、本当に必要なのか吟味して行動することが大切ですよ。

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

鎌田千穂プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

業務改善と人材育成のプロ

鎌田千穂プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼