不信感は一度感じると増幅する
チホズスタジオ
産業カウンセラーの鎌田千穂です。
福岡市でオンラインや訪問を中心としています。
事業内容は産業カウンセリング及びコンサルティングサービスです。
チホズ文字分析による、人材分析及び提案も行っています。
前回の記事では認知の歪みの種類とその分類の中でお伝えした、「心のフィルター」について詳しく紹介しました。
今回は【思い込みと偏見による歪み】の一つ、「マイナス化思考」について掘り下げていきます。
マイナス化思考は、出来事や状況を過度に否定的に捉える傾向があります。
そのことで、私たちの心に必要以上に大きな影響を与えるもの。
ですが、「マイナス化思考」があることで良いことだってあるのです。
早速、その事も含めて書いていきますね。
マイナス化思考とは?
マイナス化思考とは、物事を極端にネガティブに捉える認知の歪みです。
この思考パターンは、どんなに楽しいことがあろうとも素直に喜ぶことができません。
その代わり、「この後に何か悪いことが起きるかも知れない。」とか「私を喜ばせておいて、後から何かとても重い頼みごとをするかも知れない」などと思うことで、心の底から楽しめない傾向が見られます。
どんなことなのかを例えて言うなら
仕事の場面だと・・・。
小さなミスの指摘をされただけで、「自分はこの仕事では全く役に立たない」と思い込んでしまうなど。
家庭の場面だと・・・。
家族との些細な口論があると、「家族関係はもう終わりだ」と決めつけてしまう。
そして悲劇の主人公スイッチが入ると、私のコトは存在すらこの世からない方がいいのだとドンドン追い込んでしまう傾向が見られます。
友人関係だと・・・。
友人が忙しくて返信が遅れたとき、「もう自分のことを嫌いになったのだ」と思い込む。
まるで、一度の曇り空で、今日は外に出な方がいいかもしれないと感じるようなものです。
その不安感が行き過ぎてしまうと、たまには外に出られなくなることもあるかもしれませんね。
マイナス化思考がもたらす影響
マイナス化思考は、私たちの心に様々な影響を与えます。
具体的には以下のような影響があります。
ストレスの増加
マイナス化思考は、ストレスを増加させる原因となります。
常に最悪の結果を想像することで、不安や緊張が高まります。
そのことでストレス解消に走る事が増えます。
昭和世代の場合は、タバコやアルコールでした。
最近は糖質依存や菓子パンが手放せない方が増えています。
机の引き出しを開けると、お菓子のたくさん入った引き出しがある方はご用心。
ストレス解消のためにお菓子に走っていると認識しましょう。
~ちょっと横道のお話~
糖質依存の方は不思議なんですよ。
チョコレートがたくさん入った袋が手放せない方に、ティム◯ムなどとても甘いことと添加物がない海外のお菓子だったら少量で済むのでは?とお伝えするんです。
返答は、「甘すぎてたくさん食べられないです。」と言われます。
過度に甘すぎると沢山食べることに罪悪感が湧き上がるようです。
このことから、体を動かす事ができないので、代わりに口を動かすために食べている代償行為をしているようです。
そして、痩せたいというのですから、どうしたいんだろうと真剣に聴いてしまうことが多いです。
自尊心の低下
自分の失敗や欠点ばかりに焦点を当てることで、自己評価が低くなり、自尊心が低下します。だからと言って、鏡に向かって「今日も完璧!」と叫ぶのも少し恥ずかしいかもしれません。
人間関係の悪化
マイナス化思考は、人間関係にも悪影響を及ぼします。
相手の言動を過度に否定されているように解釈し、誤解や摩擦を生む原因となります。
友人が「今日はちょっと…」と言っただけで、「もう絶交だ!」と言われたと思わないように。
マイナス化思考の良い面
とはいえ、マイナス化思考にも、良い面だってちゃんとあります。
以下にそのいくつかを紹介しますね。
リスク管理能力の向上
マイナス化思考は、潜在的なリスクに気づき、事前に対策を講じる助けとなります。
最悪のシナリオを想定することは、予期せぬトラブルに対応しやすくなります。
例えば、旅行の際には非常口の確認など緊急事態に備えておくことなど良い例です。
現実的な期待値の設定
マイナス化思考により、過度な期待を持たずに現実的な目標を設定することができます。
これにより、失敗を回避し、堅実な結果を得ることができます。
問題解決能力の向上
ネガティブな視点から問題を見つめることで、改善の余地が明確になります。
そこから効果的な解決策を見つけられるようになればラッキー。
そうすることで、リスクを早期に発見し、対策を講じることができます。
悲劇の主人公スイッチが入らない限り、安心欲求を満たすことに使命感を強めることで、周囲が驚くほどにテキパキと理路整然と片付けていけるんです。
マイナス化思考を切り替えるアプローチ
できることの視点を持つ
一番有効なことは、マイナス化思考を変えるためには、できることに目を向ける視点を持つと良い。
ネガティブな出来事と一対で、中立的な出来事やポジティブな出来事も意識的に捉えると行動力が備わります。
健康的な自己評価を育てる
自分の良い点や成功体験に目を向けること。
そのことで健康的な自己評価を育てることができます。
また、小さな成功を積み重ねることで、自信を持つことができます。
認知行動療法を取り入れる
認知行動療法は、マイナス化思考に気づき、より現実的でできることを考える思考パターンを養う手助けをします。
プロフェッショナルのサポートを受けることで、思考の歪みを修正することができます。
産業カウンセラーと一緒に、自分の思考パターンを見直されてみてください。
まとめ
マイナス化思考は、私たちの認知を歪め、ストレスや不安、自尊心の低下、人間関係の悪化を引き起こす思考パターン。
ですが、悪いことばかりではなく、活かし方次第。
リスク管理能力や問題解決能力の向上といった良い面も持ち合わせています。
できることの視点を持つことや健康的な自己評価を育てること、認知行動療法を取り入れることで変えるアプローチを実践することがオススメです。
次回のエピソードでは、【思い込みと偏見による歪み】「 拡大解釈と過小評価」について詳しく見ていきます。お楽しみに!
心の重荷をチャンスにできるマイナス化思考の活かし方 ショート動画
https://youtu.be/0R6-iYnwXqQ