職場の人間関係:相手の考えを理解するためのヒント
業務改善&組織変革
チホズスタジオ(Chi-ho'sstudio)
産業カウンセラーの鎌田千穂です。
最近の企業の新人研修の期間は、昭和の頃と違って平成の中ほどから、新人研修の期間が三ヶ月~半年ほどの育成時間をかけて職場に配属する企業が増えてきました。
そんな新人研修後が終わった新人のカウンセリングや面談をする依頼がとても増えています。
その相談内容の多くは、「上司からの指示に悩み、言いたいことが言えないもどかしさに悩むこと」です。
これまでのよくあるご相談内容を交えて、職場での接し方のヒントを記載してみます。
上司からの指示について悩んでいる人に焦点を当て、その問題を克服する方法やコミュニケーションのコツを考えつつ、自分の意見を上司に伝える方法、自己評価の向上、ストレスを上手に扱うテクニックに焦点を当ててみますね。
上司からの指示に対する悩み
新人にとっての不明瞭な指示や上司からの期待に対する精神的なストレスは「色んな事を聞かなくてもできるようになりたい」という気持ちから、「申し訳ない」という気持ちを生み出すことが多く、多くの新入社員にとって焦りによるプレッシャーは共通の課題になっています。
また、自分が正しい理解をしていない場合は、自己評価は思ったよりも低下し、ストレスやモヤモヤ感が生じていることがうかがえます。
更に、追い打ちをかけるように、コミュニケーションにおける自信の不足と語彙力の未成熟さが拍車をかけ、心や身体で感じた内容を言語化することが厳しくなり、「頭が真っ白になる」というフリーズ状態を誘発してしまいがちになっているようです。
そのため、新人対応について下記のことに意識を向けられてみられてはいかがでしょうか?
育成をする方の質問力向上
上司からの指示が理解できない場合、質問することは非常に重要です。ですが質問をする内容がわからないことも多いので、育成をする方は理解をしている内容を、再度具体的に聞いてみてはいかがでしょうか。
もちろん、新人の中には恐れずに質問をする力を持っている方もいます。
ですが、そもそもの受け取り方がずれていた場合は、成果物が「どうしてそのような内容になったのか??」ということも起こります。
だからこそ指示をした内容の相互理解について明確にして行くことに意識を向けられてみてください。
このことで、新人の言語化力がだんだん高まり、職場での捉え方のすれ違いを防ぐ助けになります。
コミュニケーションのスキル向上
コミュニケーションスキルの向上は、職場の円滑な人間関係構築には不可欠です。
ただし、現代社会ではSNSを使った、「一旦受け取り、時間を設け、考えながら相手に物事を伝える」方が多くなりつつあります。
特に10代から20代においてはSNSを使った伝達の方が多いのではないでしょうか?
そうすると、敬語を意識するあまり何を話していいのか即断即決力が未成熟になりやすい状況が整ってしまいやすいのです。
積極的なコミュニケーションにおいても、言語だけではなく文章や画像・食事をしながらフラットな付き合いなどの環境を整えた状態で、新人が積極的に話をできるような場作りも大切です。
そのような心理的安全性を確保できていると感じられるよう働きかけがあるからこそ、新人が意見を述べる練習ができる場となり、職場の円滑な人間関係構築の場を整えていきましょう。
アサーションの重要性
アサーションは、相手と対等な立場で自己主張をするためのコミュニケーションスキルです。
相手の主張を肯定し、お互いの価値観を尊重しつつ、自分の意見を的確に言葉にするための方法です。
新人は同期との関係性では意外とアサーションをできてはいるのですがこと上司となるとうまくできなくなっている傾向があります。このことで新人研修や職場内の援助としてアサーションの実践訓練が必要になってきていることはいうまでもありません。
語彙力を増やすためには、一日の言葉の多くが、「お疲れ様です」「すみません」「大丈夫です」「頑張ります」の言葉で終わらない意識づくりが必要になっていきます。
自己評価の向上
上司からの指示に自信を持つためには、自己評価の向上が不可欠です。
自己評価が低く理想が高いとなかなか成功したことに対して喜ぶことができず常に失敗することへの不安が払拭されない新人が多いのも事実です。
自分のスキルと能力を認識をしているものの、他人と比較をしてできないことを常に実績をする状態ではたった一つの言葉が大きく受け止めやすいことも否めません。
そのため職場では、「できないことに触れずもっと良くなる提案」を伝えてみてください。
そういった日々の積み重ねがポジティブな自己評価を持つことにつながっていきます。裏表のない接し方が、フィードバックを素直に受け入れ、自己成長に取り組む力となり、新人の自己評価は向上します。
ストレスとの関わり方への支援
職場でのストレスを軽減し、心の不安を取り除くために、ストレスの適切な管理方法を試してみましょう。
リラックス法、時間の使い方、ちょっとした休憩、運動など、ストレスを和らげる方法を実践することで、職場での不快感を軽減できます。
新人が自信を持つためには
新人が上司からの指示に悩む課題は成長している自覚から変化していくことは可能です。
それには、自己評価を高め、アサーションのスキルを向上させ、ストレスとの関わり方を肯定的に受け止めていく自覚から、自信を持つことができます。
自信を持ち、成功を収めるための鍵です。自分の声を上司に届けられるように、職場の取り組みに活かせるヒントになると嬉しいです
このブログ記事を参考に、上司からの指示に苦しむ新人が自己成長し、コミュニケーションスキルを向上させる手助けとなることを願っています。