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中村伸子

家族関係のトラブルを解決する法律のプロ

中村伸子(なかむらのぶこ) / 弁護士

あおぞら法律事務所

コラム

遺言書作成後の離婚/女性弁護士による法律相談・福岡

2013年8月10日

テーマ:相続

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 遺言書 作成遺言書 書き方

Sさんのご相談
「私の実父は,10年前,30歳も年下の女性Eと再婚し,
遺産の全部を Eに遺贈する旨の遺言書を作成していました。
遺言書を作成して3ヶ月後に,Eが不貞をしていること,
その不貞相手のために無断で実父の不動産に抵当権をつけていることなどが発覚し,
離婚をしました。
実父は,遺言書を変更したり,新しい遺言書を作成したりしないまま,
亡くなってしまいました。
こんな場合でも,
最初の遺言書があるのだからと,Eが遺産を相続するのでしょうか」
前回のコラムでは,前の遺言書と抵触する新しい遺言書を作成した時は,
前の遺言を撤回したこととなり,
新しい遺言書が有効となる民法の規定をご紹介いたしました。
新しい遺言書を作成したわけではないけれども,
前の遺言書の内容に明らかに抵触するような行為をした場合についてはどうでしょうか。

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 法律問題は,相談者の方の個別の事情に応じて,複雑になる場合が多く,
 直接お会いして,じっくりとお話を伺って,ご相談に応じたいと考えております


民法1023条2項は,
遺言書の内容と遺言後の生前処分その他の法律行為が抵触する場合には,
前の遺言は撤回されたものとみなすと定めています。
すると,Eさんとの離婚は,Eさんへの全部遺贈と抵触する法律行為ですから,
遺言の撤回がみとめられる可能性が高いと解されます。
離婚ではなく,養子縁組の離縁の事例ですが,
全部養子に遺贈する旨の遺言をした後に,
養子に対する不審の念を深くして離縁した場合,
同条項に基づいて撤回を認めた最高裁の判例もあります(最高裁S56,11,13)

詳しいことは,弁護士にお尋ねください。

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中村伸子

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