不倫と親権

Bさん（男性）のご相談
「妻が職場の上司と不倫をしたので，離婚することになりました。娘には妻のような女性には絶対になって欲しくないのです。親権は，父である自分になりますよね。」

不倫をして，自ら離婚の原因を作った方の親に，親権が認められるでしょうか。
親権というのは，法律上は，監護教育権（子どもの日常生活の面倒を見る権利や義務），居所指定権（子どもがどこに住むかを決める権利），財産管理権（子どもの財産を管理する権利），職業許可権，懲戒権などをまとめて指す言葉です。
家庭裁判所が，親権を判断する際には
離婚原因がどちらにあるか（＝夫婦のどちらに非があったか）ではなく
子どもにとって，どちらの親といる方が，幸せに，精神的に安定した生活ができるか，という視点から判断されることになります。
さらに，平成25年1月1日施行の家事事件手続法においても，家庭裁判所は「子の意思を把握するよう努め」，「その意思を考慮しなければならない」と規定されました。
お子さんの気持ちを尊重しながら，決定していくことになります。
不倫をしたことが，必ずしもお子さんの生活状況に直接悪影響を及ぼすとは限りませんので，具体的状況によっては（現在も子どもを置き去りにしたまま上司と不倫を繰り返しているのか，すでに上司との関係は終了し，育児はもっぱら妻が行っているのか，子どもの年齢など）Bさんの妻（＝母）が親権者となる可能性もあります。

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