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減給ってどこまでできるの?

2014年11月27日

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 減給 理由

おはようございます。
福井の人事コンサルタント・社会保険労務士の北出慎吾です。
今年の流行語大賞候補がノミネートされました!
「STAP細胞はあります!」
「妖怪ウオッチ」
「JKビジネス」
「ありのままで」
などなど全50ノミネート! 今年はどの言葉になるのやら、、、
ちなみに昨年の流行語大賞覚えています?
私は、「お・も・て・な・し」しか覚えていませんでした(笑)
他に3つありましたよ~(回答は編集後記に)

さてさて、それでは本日もお役に立てるノウハウをお伝えします。

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残り3社です!
「問題社員対応セミナー」
日時:2014年12月18日(木)14:00~16:00
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     減給ってどこまでできるの?
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先日のメルマガで減給と降格について触れましたが、
【減給】についてもう少し詳しく教えて欲しいとご要望がありましたので、
今回のメルマガは、減給についてお伝えします。

『業務中の居眠りや遅刻、業務報告違反など問題を繰り返す社員がいます。
 3ヶ月ほど前に降格処分をしたのですが一時的には改善されましたが、また最近再発してきました。
 今度は降格という処分ができない(一番下の位)ので、減給をしようと思います。
 減給はどの程度まで行っても大丈夫なのでしょうか。
 ほかの社員にも示しがつかないので今回は大幅な減給を考えています。』

何度か改善要求を行っているのでしょうが、
このような社員がいると社員統率やモチベーションにも影響しますよね。社内雰囲気も良くありません。
懲戒処分として減給を行う場合、その減給額については、労働基準法91条において記載があります。

「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、
 その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の
 総額の10分の1を超えてはならない。」

ここでいう「1回の額」とは、1回の事案における減給額を指しています。

また減給に相当する行為(事案)が複数あった場合には、
減給額は累積していくことになりますが、一賃金支払期における減給額は、
「賃金の総額」の10分の1を超えてはならないことになっています。

具体的な数字で表してみましょう。
月額25万円の人であれば、1日の平均賃金は約12,500円となりますので、
※所定労働日数20日計算の場合
その半額となると6,250円が1回の事案で減給できる額となります。
それが賃金支払い期間で4回繰り返されると25,000円の減給が可能です。
もし5回繰り返されていたら、1日分の半額である25,000円を超えますので、
1回分は翌賃金支払い期間に回すことになります。

この話をすると、経営者の方から
「そんだけしか減給できないの?3ヶ月分の減給は無理なの?」
と質問があります。

このご質問の背景には、公務員が不祥事を起こした場合に報道される
「○か月分、○%減給」ということが頭にあるからです。
ただ、これは一般の民間会社では当てはまりません。

公務員が不祥事を起こした場合は、人事院規定により減給の制裁は1年以下の期間、
月額の5分の1以下(20%)から行うことが可能と定められています。
ですので、公務員の場合は例えば、3ヶ月間、20%賃金カットが可能となるわけです。
しかし、一般の民間会社は人事院規定ではなく、労働基準法で減給が
定められていますので、公務員のような減給はできないのです。

たまに減給30%とする制裁をしている会社さんがありますが、これは違法です。
減給の処分をする場合は、ぜひ気を付けてくださいね。

セミナーではこれらの社員についても解説いたします。
http://kkr-group.com/seminar/index.html

【編集後記】
倍返し!
じぇじぇじぇ
今でしょ!
というのが残りの3つです。
覚えていないものですね~!

この記事を書いたプロ

北出慎吾

社会保険労務士として企業の成長に寄り添う人事労務のプロ

北出慎吾(北出経営労務事務所)

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