「重い椅子の肘だけの切り取りってできますか・・・?」
膝が痛くて、床に座れません・・・。」
「年をとって、お仏壇の前に座れなくなりました。」
「お仏壇の前使うので、畳を傷めにくい椅子はありますか?」
と、新居浜市・W様よりお問い合わせをいただきました。
W様に選んでいただいたのは、天童木工製スツール(T-5576N)です。
でも、このスツールは、畳擦り板が付いてないため畳を傷める可能性がありました。
和室が少なくなった現在、畳擦り板が付いている既製品のスツールは、かなり少ないです。
そこで、スツール手前に置いているナラ無垢材にて、畳擦り板を作り、取り付けすることとしました。
「これが、畳擦り板です。」
ナラ無垢材を、動力機械の横切り盤→手押しかんな盤→自動かんな盤などを使い、専用の畳擦り板を作りました。
ナラ無垢材を選んだのは、スツール本体の材料と共材だからです。
「希望の高さになるように脚先を、切っていきました。」
スツールに、畳擦り板を普通に取り付けただけですと、畳擦り板の厚み分が高くなってしまいます。
年をとって身長が低くなったというW様の希望の高さになるように、脚先を切っていきました。
こういった、組み立て済みで完成品の椅子1脚の場合は、動力機械の定盤にセットするよりも、手作業で切ったほうが効率的です。
「次に、水平バランス調整作業をしました。」
墨付け通り正確に切りましても、微妙な水平バランスは崩れるものです。
そのため、水平盤(ガラスの厚盤)に乗せて、水平バランス調整をしました。こんな時の使うのこぎりは、“あさり” の無い横切りを使うのが望ましいです。
「これが、塗装作業までできた畳擦り板と脚先を切った端材です。
畳擦り板にスツール本体との取付け用の穴あけをしたのちに、ウレタン塗装作業を終え、かなり近い色合いに仕上げることができました。
この畳擦り板を取り付けすれば完成です。
「和室のお仏壇へお届けしました。」
「これで、お仏壇の前に座りやすくなりました。」
と、よろこびのお言葉もいただき、私もうれしい気持ちになりました。
W様、ご依頼いただきありがとうございました。土岐泰弘
「既製品家具の二次加工に力を入れています。」
既製品というのは、家具に限らず、全体の過半数の方に受け入れられやすく作っているものです。
超高齢化社会(人口の21%が、65歳以上)の現在、
「既製品のままでは使いにくいので、○○なりませんか・・・?」
というお問い合わせをいただくようになりました。
TOKI家具館メンテナンスは、“めんどくさい系” の家具専門店です。
今回のW様の椅子のように、既製品家具に手を加えて、少しでも使いやすくする仕事に力を入れています。
ご不便な家具がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。土岐泰弘