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コラム

「戦前の囲炉裏を、雰囲気はそのままでコレクションテーブルにできませんか?」

2021年2月7日 公開 / 2021年2月8日更新

テーマ:リノベーション家具の製作事例

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 家具 選び方

「実家に戦前からある囲炉裏を、家のリフォームに合わせて有効活用したいのですが・・・。」

四国中央市・H様よりお問い合わせをいただきました。
この囲炉裏を見ますと、現在では少なくなったケヤキ無垢材を使っていて、永年の使用感がなんとも言えないくらい良い雰囲気が出ています。
秦様いろり 作業前①
H様とご相談すると・・・
① 天板に染み込んでいる輪染みや焼け跡、本体側面部の擦れ跡などを残しつつ、気持ちよく使えるようにしたい!
② もう火は焚かないため、開口部には、木製の箱を新たに作り、ガラス板を落とし込んで、コレクションテーブルのように使いたい!
と、リノベーション(二次加工)することになりました。

リノベーション作業中①/囲炉裏をばらしました。

ケヤキ無垢材の天板および囲炉裏の開口部の額縁を取り外した状態です。
秦様いろり 作業前③
本体内部を覗き込むと、永年にわたって火を焚いていた形跡が刻まれています。
秦様いろり 作業前②

リノベーション作業中②/天板のぐらつき直し作業

留め組み(45度に接合)のケヤキ無垢材の天板のぐらつきがありましたので、留め先やほぞを傷めないように慎重に分解していきました。
秦様いろり 作業中①
接着剤を入れて、愛用のソマックス製T型クランプを使い、圧着していきました。
秦様いろり 作業中②
開口部に四分割して置き式だった額縁に、ガラスを落とし込み用の欠き取りをして、圧着していきました。
留め組み(45度に接合)の圧着方法は、昔ながらのひも巻きにて圧力をかけて接着しています。
秦様いろり 作業中③

リノベーション作業中③/開口部用の木製箱づくり

永年にわたり火を焚いてボロボロになった内部の木製箱を新しく作ります。
材料には、TOKI家具館メンテナンスがよく使っている国産の栗無垢材を使いました。
栗材は、木目が和風家具に良く似合う材料です。
秦様いろり 作業中④
続いて、日立工機製スライド丸のこを使い、留め切り作業をしました。
このスライド丸丸のこは、305mmのチップソーが取り付けでき、左右共に45度まで傾斜させることも可能で、精度良く切断することができます。
秦様いろり 作業中⑤
留め切り加工ができた状態です。
秦様いろり 作業中⑥
側板の側面内部に、出し入れ時の手掛けとなる欠き取りをして、圧着していきました。
秦様いろり 作業中⑦
続いて、木製箱の耐久性を上げるために、動力機械の昇降丸のこ盤を使い、角に欠き取りを入れました。
秦様いろり 作業中⑧
欠き取り部に、耐久性を上げるための、桟木を埋め込みました。この桟木は、接着剤が完全乾燥後、目地払い作業をします。
秦様いろり 作業中⑨

リノベーション作業中④/本体の調整作業+研磨作業

戦前から使われていた囲炉裏ですので、永年の気温や湿度の変化で、接合部の切れや割れがどうしてもでてしまいます。
こんな使用上、不便を感じるヶ所に手を入れていきました。
この写真は、割れてしまっていた台輪を圧着している様子です。
秦様いろり 作業中⑩
電動工具が入りにくいヶ所は、手加工にて研磨していきました。
秦様いろり 作業中⑪
本体内部もきれいに研磨作業ができました。
秦様いろり 作業中⑫

リノベーション作業中⑤/植物性オイル仕上げ

戦前からお使いの囲炉裏ですので、現代的な仕上げ方法よりも、より自然な雰囲気を出すために、塗装は植物性オイル仕上げを選びました。
植物性オイルは、ドイツ製オスモ&エーデルさんのオスモカラーのウォールナット色とマホガニー色を調合して使いました。
秦様いろり 作業中⑬
全ての部材に植物性オイルを塗りこみ、拭き取りまでできました。
秦様いろり 作業中⑭

リノベーション作業後/コレクションテーブルの完成です。

植物性オイル仕上げが完全乾燥後、同じくオスモ&エーデルさんのワックス&クリーナーをかけて仕上げ後、細部の調整と共に全体を組み立てていきました。
秦様いろり 作業後①
各部材を分解するとこんな風になります。
秦様いろり 作業後②
四国中央市・H様より・・・
「リフォームしてくれた大工さんにも好評なんですよ。」
「ありがとうございます・・・。」
と、コレクション部分のお写真をメールしてくれました。
H様、ご依頼いただき、ありがたいお言葉と共に写真までお送りいただきありがとうございました。土岐泰弘
秦様いろり 作業後③

コロナ渦の中、必要だと想う家具の仕事

SDGs(持続可能な開発目標)という言葉を、よく聞くようになりました。

20世紀は消費することが美徳とされた、大量生産 → 大量消費 → 大量廃棄 の時代でした。
お客様からは・・・
「家具って、使い捨てじゃないの・・・。」
「ネットや量販店で、安くて使い捨ての家具がいっぱい売ってるじゃない・・・。」
「家具の修理って、買うほどかかるんでしょ?」
「もったいないわ・・・!」
という言葉をひんぱんにお聞きします。
でも、これを続けていくと、SDGs(持続可能な開発目標)になりません。

私が想うコロナ渦以降の家具の仕事は・・・
① 永く使える基本に忠実な構造の家具を、将来的な修理システムのことも考慮して、必要な数だけを作り、絶えずメンテナンスを繰り返しさらに永く使っていく・・・。

② また、超高齢社会(65歳以上が人口の21%以上)の現在、
愛着はあるが、歳を重ねて使いにくくなった家具は、リノベーション(仕様変更や二次加工)して、少しでも使いやすくする・・・。

③ 重たくて不便になったり、使い道がなくなった無垢材家具は、再資源化(無垢材ヶ所を、もう一度材料に戻す)して、今必要な家具に作り変える・・・。

TOKI家具館メンテナンスでは、このような家具の仕事こそが、コロナ渦の時代に必要な家具の仕事と想います。
もちろん、SDGs(持続可能な開発目標)の考え方とも合致してるように想います。

こんな長い文章を、最後までお読みいただきありがとうございました。土岐泰弘

この記事を書いたプロ

土岐泰弘

家具の修理とリノベーションのプロ

土岐泰弘(有限会社土岐家具店(屋号:TOKI家具館メンテナンス))

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