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知財費用シリーズ【知財】【補助金】【東京都】シリーズ(第10回)特許調査費用助成事業

坪井央樹

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テーマ:知的財産

公益財団法人東京都中小企業振興公社・東京都知的財産総合センターの制度を解説します。本制度は東京都独自のものです。
詳しくは下記URLの通りです。
https://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/josei/chosa/index.html

「出願」ではなく「調査」用の補助制度です。
4月11日に更新されており、令和4年度の予算分が開始しています。

制度概要

〔助成限度額〕100万円〔助成率〕1/2以内
〔スケジュール〕~令和4年12月1日(木)まで受付

知財関連部分

 〔対象になる費用〕
 〇他社特許調査委託に要する経費
  〇開発戦略策定目的
  〇特許出願戦略策定目的
  〇継続的なウォッチング目的 検索式の作成・改良も対象(〇)
  〇侵害予防目的 無効調査も対象(〇)
 →いずれの目的でもパテントマップ作成費用、関連する他社特許調査費用、出願動向分析費用は対象になる(〇)
 〔対象にならない費用〕
 ×出願関係費用(出願料、審査請求料、中間処理費用等)
 ×先行調査費用

本制度の独自・留意点

1 終了後、3年間は「活用状況報告書」を提出する義務があります。
2 電子申請のみの受付です(郵送等が不可です)。
3 事前申請ではなく、「助成対象期間内に発注又は契約、実施、支払の全てが完了したもの」が補助対象になります。

調査とは

特許の場合には、調査は下記のようなものがあります(法令等で呼称・調査方法が決まってはいませんので名称・分類が人によって異なります)。
 先行文献調査 「公知」の技術(=新規性がない技術)を調査
 技術動向調査 自社・他社の出願状況を調査して技術開発・マーケットが活発な分野等を調査
 侵害予防調査 他社が権利化している技術を調査して侵害になるのを回避するための調査
 無効調査   権利化されている特許権を無効にできる証拠を探す調査

先行文献調査は、特許性(主に新規性+進歩性のこと)を判断する目的で行う調査です。
特許性は、下図のように判断されます(詳しくは、こちらで解説しています)。そのため、調査結果は、どこまでが「公知」と判断されるか、また、どこまでなら権利化できるかを判断する材料となります。
新規性・進歩性

技術動向調査は、開発戦略、及び、特許出願戦略のために行う調査です。
例えば、このような形で調査結果を使用します。
パテントマップ・技術動向

侵害調査は、自社が製品販売・開発等をする上で、どういった技術が侵害になってしまうかといったところを調査します。
侵害調査リスト

調査費用は、一般的には調査対象とする件数や国によって料金が高くなります。

〇補助金・助成金(「支援制度」等という言い方をする場合もあります。)は、
地方自治体・制度ごとに呼称が異なり、厳密には助成金、補助金、支援制度は異なる制度ですが、本シリーズでは簡略化のため「補助金」で一貫させてもらいます。

〇本制度は「(東京都知的財産総合センター ホーム)→助成金→特許調査費用」にあります。

なお、上記の例は、原則の説明用・説明のため簡略化しております。そのため、もちろん例外があります。詳しくは一度弁理士等へ相談するのを強くお薦めします。
上記の内容で不明な点がございましたら、お手数ですがメール等でお問い合わせ下さい。
以上、ご参考まで。

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専門家

坪井央樹(弁理士)

武和国際特許事務所

特許・意匠・商標の弁理士・知財サービスと創業・IT・新規事業等の経営戦略のサービスを提供できます。

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