英検1級道場-実りの秋 最後の総仕上げに忙しい受講生の皆さん
10月3日(土)21:00~21:45、Zoomを使ってオンライン懇談会を開催しました。
今回のゲストは、英検1級道場で長く勉強してきた高校2年生の男子生徒です。
海外の英語圏で生活した経験はありません。小学校、中学校と地元の公立校で学び、高校も日本の学校に通っています。
ところが、英検1級のリスニングでは25~27問正解することが多く、満点を取ったこともあります。英語の映画も字幕なしで理解できます。
英検1級にも中学1年生で合格。その後も「英語力を維持するため」に1級を受験し続けています。
45分間の対談と参加者との質疑応答から、英語学習について多くのことが見えてきました。
① 幼少期は「英語の勉強」ではなく「英語を使う」
本人によると、幼少期から英語に触れていましたが、最初から英検対策や読み書きを勉強していたわけではありません。
英語のDVDやアニメを見たり、英会話教室で先生や友達と英語で話したりしていました。
小学5年生のときには、中国から来た留学生と英語で遊びました。英単語でしりとりをするなどして、「英語でコミュニケーションを取る楽しさを知った」と振り返っています。
リスニングについて「なぜそんなに聞き取れるのか」と尋ねると、本人にも明確な説明ができません。
日本語がなぜ聞き取れるのかと聞かれているような感覚だと言います。
小さいころから英語を聞き続けてきたことが、大きな土台になっているのでしょう。
② しかし、英検準1級・1級はそれだけでは突破できなかった
ここが今回の対談で特に重要だと感じました。
5級から2級までは順調に合格しました。
ところが、2級から準1級になると3回不合格。
準1級から1級では、さらに大きな壁にぶつかりました。7回不合格になり、8回目で合格しました。
本人が挙げた大きな問題は、単語、読解、背景知識、ライティングでした。
準1級は大学中級程度、1級になると扱われるテーマはさらに難しくなります。
小学生が英文の単語を読めたとしても、書かれている社会問題そのものを理解できなければ、正解を選ぶことはできません。
ライティングも同じです。
英語が書けるだけでは足りません。
「何を書くのか」を考える知識と思考力が必要です。
年齢が上がり、知識と経験が増えた現在では、当時苦労した準1級の問題もかなり楽に理解できるようになったそうです。
これは、小学生など低年齢で上位級に挑戦している受験者と保護者には、ぜひ知っておいてほしい点です。
③ 「大量にやる」ことは、やはり必要
本人は幼少期から優れたリスニング力を持っていました。
しかし、準1級、1級になると、それだけでは通用しなくなりました。
そこで英検1級道場のレッスンでは、リスニング教材を使って徹底的にトレーニングしました。
対談の途中で私自身も思い出したのですが、準1級のPart 2を約100本、さらに1級のPart 2を約200本、一緒に勉強しました。
約300本です。
現在、1級リスニングでほぼ満点を取れる力は、幼少期からの英語環境だけでできたものではありません。
もともとの土台の上に、大量のトレーニングを積み重ねています。
私はこれまで繰り返し、正しい方向 正しい方法 一定の物量が必要だと書いてきました。
今回の対談は、それを改めて実感させるものでした。
④ 「文法を知っている」と「英語を使える」は同じではない
後半の質疑応答では、とても興味深い話になりました。
英検1級で高得点を取る本人が、「自分は文法が苦手だ」と言うのです。
学校では、whileが出てきたらその用法を識別する、といった文法知識を覚えることがあります。
本人はそうした質問をされると答えられないことがある。
ところが英文そのものは、そんなことを考えずにスラスラ読めると言います。
これは非常に興味深い話です。
日本人も日本語を話すとき、「今、主語を使った」「ここは助詞だ」と考えているわけではありません。
しかし、だから文法が不要という意味ではありません。
文法用語を知っていることと、文法に従って正確に言葉を理解し、使えることは別問題です。
一方、私が多くの受講生を見てきた経験では、基本的な英文法を理解しないまま、英文を何となく読んでいる人も非常に多くいます。
この二つを混同してはいけないと思います。
英検合格はゴールではない
今回、私がもう一つうれしかったのは、本人が英検1級に合格した後も受験を続けていることです。
理由を聞くと、「英語力を維持するため」とのことでした。
英検は資格を取るためだけのものではありません。
試験を一つの目標として利用しながら、英語力そのものを高めていくことができます。
今回の45分間の対話を通じて改めて感じたのは、
英語は短期間で突然できるようになるものではないということです。
幼少期から英語を聞く。
英語を使って人とコミュニケーションする。
単語を覚える。
大量の英文を読む。
大量の英語を聞く。
書く練習をする。
そして、失敗しても挑戦を続ける。
今回のゲストも、準1級で3回、1級で7回不合格を経験しています。
それでも続けました。
正しい方向、正しい方法、一定の物量。
そして、それを継続すること。
今回のオンライン懇談会で高校2年生の話を聞きながら、英語上達には結局、この当たり前の積み重ねが一番大切なのだと、改めて教えられました。


