英検1級道場-アメリカでは、裁判に生成AIが登場しました!

山中昇

山中昇

テーマ:道場のレッスンはこんな感じです


最近読んだ英文記事(最下段に示す)に関してレポートします

・2025/05/01~05/07に、世界の主要メディアに報道された
・事件発生は2021/11/13 アリゾナ州、
・事件の発端:車走行中の口喧嘩(いわゆる、煽り運転?)

・容疑者は有罪判決を受け、2025/05/01に量刑が言い渡された
・量刑を言い渡すときに、原告側はImpact statementを陳述するが、被害者の妹が生成AIで作った兄を登場させた

・セリフは妹が考えたが、内容は、forgivenessが強調されていた
・(にもかかわらず)求刑9.5年に対して10.5年が言い渡された

・裁判の過程でAIを利用することに関しては様々な議論がある
 ・再犯の可能性を審議するときに使われているAIソフトがあるが、最近はその質に疑問が出ている
  *AIを作っているエンジニアが人種差別主義者だと、黒人などは白人と比べて再犯可能性が高く出るらしい

 ・今回は求刑の時点で原告側が使ったが、今後は原告/被告両方で使われる可能性がある

 ・訴えてから有罪判決が出るまでの過程でAIが使われるケースは無いだろうという見方が支配的

皆さんはどう考えますか?
今後、この種の英文記事に接する機会が増えてくると思います
英検でも出てくる(読解、リスニング、2次試験)と思われるので、最低でも心の準備はしておきましょう

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■下記が英文記事です(グーグル翻訳もつけておきます)

AI Lets Murder Victim Speak in Court

Chris Pelkey: “Hello everybody. Thank you so much for being here today.” This is the voice of a dead man, sort of.
Chris Pelkey: “I’m a version of Chris Pelkey recreated through AI that uses my picture and my voice profile.”

Chris Pelkey was killed in 2021 in Chandler, Arizona, the result of a road rage confrontation. But this month he came to life thanks to AI. During a sentencing hearing, the AI version of Pelkey spoke before the court. It was Pelkey’s sister Stacey Wales who came up with the idea.

Stacey Wales: “I turned to my husband one night. I said, ‘Tim, I want you to help me have Chris make his own impact statement at sentencing next week.”

Both she and her husband work in the tech industry. In the video, the AI version of Pelkey generally reminisces about his life. The words were written by his sister. There is no anger. He never asks the judge for a specific sentence. In fact, he talks about forgiveness.

Chris Pelkey: “To Gabriel Horcasitas, the man who shot me, I believe in forgiveness and in God, who forgives. I always have and I still do.”

The judge in the case, Todd Lang, who allowed the video to be shown, said afterwards he was glad he saw it.

Laurie Levenson is a former federal prosecutor.
Laurie Levenson: “It’s understandable that people want to bring the person back from beyond to be heard, especially at the time of sentencing.”

But she says there are many potential problems.
Laurie Levenson: “I think it’s risky to say that what a machine puts together as to what the victim probably would’ve said is the type of evidence they should rely on in their sentencing decision.”

And Levenson says she would be surprised if similar AI testimony would ever be allowed during the testimony phase of the case.

The video ends with Pelkey saying goodbye.

Chris Pelkey: “Well, I’m gonna go fishing now. Love you all. See you on the other side.”

The convicted killer received a ten-and-a-half-year sentence for manslaughter, even though state lawyers had only asked for nine and a half. Defense attorneys say the video may be used in future appeals.


■グーグル翻訳
AIが殺人被害者の法廷での発言を可能に

クリス・ペルキー:「皆さん、こんにちは。本日はお越しいただき、誠にありがとうございます。」これは、いわば死者の声です。
クリス・ペルキー:「私は、私の写真と音声プロファイルを使ってAIによって再現されたクリス・ペルキーの姿です。」

クリス・ペルキーは2021年、アリゾナ州チャンドラーでロードレイジの衝突により殺害されました。しかし今月、AIのおかげで彼は生き返りました。判決公判中に、AI版ペルキーが法廷で発言しました。このアイデアを思いついたのは、ペルキーの妹、ステイシー・ウェールズです。

ステイシー・ウェールズ:「ある晩、夫の方を向いて、『ティム、来週の判決公判でクリスが自ら影響声明書を作成できるように手伝ってほしい』と言いました。」

彼女と夫は共にテクノロジー業界で働いています。動画の中で、AI版ペルキーは主に自身の人生を回想しています。その言葉は彼の妹が書いたものだ。怒りは感じられない。彼は裁判官に具体的な判決を求めることは決してない。むしろ、許しについて語っている。

クリス・ペルキー:「私を撃ったガブリエル・オルカシタスへ。私は許しと、許しを与えてくれる神を信じています。これまでも、そして今も信じています。」

この事件の裁判官で、ビデオの上映を許可したトッド・ラング氏は、上映後、ビデオを見ることができて良かったと語った。

ローリー・レベンソン氏は元連邦検事である。
ローリー・レベンソン氏:「特に判決の際には、被害者をあの世から連れ戻して証言してもらいたいと思うのは理解できます。」

しかし、彼女は多くの潜在的な問題があると指摘する。
ローリー・レベンソン氏:「被害者がおそらく何を言ったかを機械がまとめたものが、判決を下す際に頼るべき証拠だと言うのは危険だと思います。」
レベンソン氏は、もし裁判の証言段階で同様のAI証言が認められるとしたら驚きだと述べている。

動画はペルキー氏の別れの言葉で終わる。
クリス・ペルキー:「さて、これから釣りに行くよ。みんな大好きだよ。向こう側で会おう。」

有罪判決を受けたペルキー氏は、州検察が求刑した懲役9年半にもかかわらず、過失致死罪で10年半の刑を言い渡された。弁護側は、この動画が今後の控訴で利用される可能性があると述べている。

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山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算90回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

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