英検1級道場-<英作文の限界> 上級者コース担当の長岡先生からのメッセージ(その2)を紹介します

山中昇

山中昇

テーマ:長岡先生のグループレッスン

<上級者用-グループレッスン>
「リスニングとリーディングを併用して飛躍的な英語力向上を実現するクラス」
が進行中です

05/17(土)に第1クールが8名でスタートし、
07/05(土)に第2クールが11名で始まりました

いずれも私自身が申し込み第1号の生徒
11名中、私を含めて英検1級合格者が8名、あと3名があと1歩で1級合格に手が届く実力者です

https://mbp-japan.com/chiba/eiken/seminar/5012988/☚上級者用クラスの詳細はこちら

このレッスンを担当してくださっている長岡先生は私の英語の恩師ですが、受講者のために3件のメッセージが寄せられています

これは、英語学習者全員に通じる話なので、紹介します

今回は第2回です
<英作文の限界>

第1回は<語彙の習得について>
https://mbp-japan.com/chiba/eiken/column/5198189/

-------------------------------------------

<英作文の限界>

先日、本を読んでいたら次の表現がありました。
"You ditched your parents? "

両親が久しぶりに28歳の息子を訪れたが息子はガールフレンドに会いに行きたい。
その気持ちを察した母親に促された息子が、ガールフレンドに会いに行った時に、ガールフレンドが息子に言ったセリフです。

「 "ditch" の代わりに"dump" とか "desert" と言っても大丈夫か?」とチャットGPTに聞いてみました。
すると"ditch" は良いが "dump" や "desert" は意味が強すぎでダメという答が返って来ました。

一事が万事です。
日本で英語を勉強した人が適切にこの区別をつけることは至難の業です。

なぜならこれらの語が同じような意味を持つと認識しているので、ニュアンスの違いが分かっていないからです。

自分がこのような場面に置かれた場合にどう表現するでしょう。
そんな時の語彙の選択は非常に難しいと思います。

母親は、息子に促す際に次のように言いました。
"We don’t mind if you desert us tonight"

「では "desert" は使っても問題ないのか?」とチャットGPTに聞くと、
「この場合は母親がわざと大げさな言葉を使っているだけなので問題ないが、他のケースで使ってはいけない」という答でした。

こうなると、いよいよ厄介です。
つまり、それぞれの単語のニュアンスを覚えた上で、それを使う時のTPOにも配慮しなければ適切な英語を話せない、ということになります。

大半の日本人が話している英語は英作文です。
英語で意思疎通している時に、相手の話を聞きながら、頭の中で日本語を英語に直しています。 英語の単語をつなぎ合わせて英文を作っています

だから意図していることが伝わらずに誤解を招くことがあるのです。
英作文ではダメだということです。

20年ほど前のことですが、日米貿易交渉でアメリカの通商代表(USTR)が激怒して交渉の席を立ったことがありました。

日本の交渉担当者が提示した提案に "ultimatum(最後通牒)" という言葉が使われていたというのがその理由でした。

"This is our final offer" とでも言えば良かったのでしょうが、"ultimatum" という言葉を使ったために、「この条件が飲めなければ戦争になる」といった非常に高圧的な言い方になったという話です。 

私は20代半ばの頃、バックパッカーとして外国を歩いていました。テヘランの安宿で私ともう1人の日本人と外国人1人が相部屋になりました。

その日本人と外国人が英語で白熱の議論をしていました。
その時に日本人は相手を説き伏せようとして "You are sweet!" と言いました。

"You are naïve” と言いたかったのでしょう。
外国人はすかさず "Thank you" と言っていました。
これは、語の選択を誤ったが結果オーライだったという例です。

これも昔話ですが、私が通訳学校に通っていた頃の出来事です。
ある日、高名な同時通訳者が話す英語が教材だったことがあります。

何も知らない私は流暢な英語だと感心していました。
その時、隣に座っていた帰国子女の生徒が "This is disastrous" とボソッと言うのが聞こえました。35年経った今でもそのセリフを鮮明に覚えています。

なぜそんなことを言ったのかいろいろ考えてみました。
きっと高名な同時通訳者が話す英語が英作文風で、本物の英語を自然な形で身につけた人の耳には違和感があったのだろうと思いました。

まだまだありますが、キリがないのでこれで終わりにします。
大切なのは、どうすれば英語的で自然な表現を習得できるのかということです。

英語圏で暮らしたり、ネイティブスピーカーと日常的に話す環境にいたりすることがベストなのでしょうが、日本語環境で暮らしながら、どうすれば英作文ではない自然な表現が身につくのでしょう。

遠回りのようですが、読書を通じて状況に合った英語的な表現を覚えて行くのが有効な方法だと私は考えます。

そうは言っても「言うは易く行うは難し」で、その実践はなかなか難しいと思います。
それが簡単であれば、日本中、英語名人で満ち溢れているはずです。

英語の習得は長い道のりです。
その道を進むためには必要性、強い意志、理屈抜きに英語の勉強が好き、といった要素が1つでもないと難しいと思います。

以上、最近考えたことを書きました。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算90回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

自ら英検1級合格を続ける英語指導者

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ千葉
  3. 千葉のスクール・習い事
  4. 千葉の英会話教室・スクール・レッスン
  5. 山中昇
  6. コラム一覧
  7. 英検1級道場-<英作文の限界> 上級者コース担当の長岡先生からのメッセージ(その2)を紹介します

山中昇プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼