英検1級道場-シニアの英語学習者からの投稿を紹介しますー大いに参考になると共に、勇気づけられます!

山中昇

山中昇

テーマ:シニアの英語

2023年7月16日に英検1級2次試験を受けました。
会場の待合室で隣だったシニアの男性がとても素敵な人柄だったので、面接後に外で待って(待ち伏せして)声をかけ、近くの喫茶店で懇談しました。

お話を伺うと、英検を連続して受けておられ、その時点で16回の合格を果たしておられました。
さらに、現役で、観光通訳をしておられることなどがわかりました。

この投稿を読むと、初めて英検1級に合格したのが30歳と書いてありました。私は、英語を本格的に勉強し始めたのが遅く、1級合格も45歳の時でした。ですから、英語/英検の勉強では私よりもはるかに大先輩です!

多くの英語学習者の参考になればと思い、これまでの戦歴や勉強方法などについての体験記をお願いしたところ、快諾を得ることができ、下記のような投稿をしてくださいました。

多くの学びができ、勇気を与えてくれる内容です。是非、ご覧ください。
尚、読みやすいように、数行で改行していくスタイルに編集しました。

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昨年、山中先生と英検二次試験会場(神田外語学院)でお会いしたご縁で、英検に向けた英語学習について投稿させていただく機会を得たことに感謝申し上げます。

私は長野市在住の72歳の田舎爺ですが、現在は通訳ガイド(英語)とNative Campのオンライン講師をやっています。教育学部の英語科を卒業してから退職を迎えるまでは中学校での英語教育に携わってきました。

私の英検1級との出会いは30歳の時でした。当時は旺文社から出版されていた英検用の参考書と付属のカセットテープを繰り返し聴きながら音読したり、いろいろなテーマについて2分くらいのスピーチをタイプライターで打って書いたりしたことが懐かしく思い出されます。

書く練習を通して導入から展開、結論へという論の運びやリズムのようなものがそれなりに身についていったような気がします。

当時の英検は今のものとは様式もかなり違いましたが、一次、二次ともそれぞれ一度failureを経て、2回目に合格しました。

教員生活で英検がどの程度役立ったかは分かりませんが、30代の中頃一ヶ月ほど長野市の姉妹都市であるフロリダ州のクリアウオーターにteacher exchange program の一環として派遣されたのですが、現地の市議会などでスピーチをする際にも英語で話すことには抵抗を感じなかったので、英検1級を取得してあったことも自信につながっていたのではないかと思います。

そして、それから40代、50代を経て退職まで30年近くの歳月が流れ、定年退職(60歳)が近づいたころ、このまま人生終えていいのかと自問するようになりました。退職を節目にそれを記念するような自分の人生イベントができないか考えてみたら、英検1級の再受験を思いつきました。

30歳のときに英検1級に合格したとは言え、生徒指導や部活指導に追われ、中学校で英語教師として日々の授業や教材研究をする以外に特別に英語の力をつけるようなことはやってきてなかったので不安でした。

しかし、「英検 文で覚えるプラス単熟語」を3~4回学習して忘れかけている単語を覚えなおしながら、英検1級を受けてみたところ、何とか2回目のトライで合格できました。

これが病みつきになり、この12年間で16回、英検1級に合格はしています。まわりの友達や知り合いはなぜ一度パスしている英検1級を受けるのかと不思議がります。答えは簡単。楽しく面白いからです。

一次試験の長文問題など読んでいるうちに内容にはまってしまって問題を解くことを忘れそうになってしまいます。問題のための問題文になっているという不自然さを感じなくもないですが、出題されるストーリーの題材には興味を惹かれます。

英検1級対策として、正直、これをやったから合格につながったとはっき言えるものはありません。中学校時代から高校時代(高校は工業高校電気科)にかけて教科担任が助言してくださった教科書の暗誦が最も私の英語の礎を築いてくれたと思うからです。

現在、中学生や高校生の方々は学校で用いている教科書を暗誦できるくらいに只ひたすらに読んだり書いたりすることをお勧めします。ただ、英検合格を目指す方々にとって、語彙力は合否に大きく影響を与える要素かと思います。

語彙力を増強するために、旺文社から出版されている「でる順パス単」を使っている方も多いのではと思いますが、単語の発音や意味が分かるかチェックする程度では不十分だと思います。(最初のうちはいいかもしれません)

私の場合は例文を読んで、その語がどのような場面で、どう用いられているかに注意を払い、また電子辞書などでも確認しています。

例文については、英文の内容を頭の中で描き、口頭で言えるようにします。そして更にノートに書く練習もします。書くことを通して、目での確認もでき確かさが身につきます。

「でる順パス単」だけでも少なくとも5~6回はやりました。単語の使い方が理解できていれば、エッセイライティングやスピーチの中でも自信をもって使えます。
「でる順パス単」については見開き10頁50語くらいの学習に1時間半くらいの時間をかけています。

上記のような学習は、大問1の語彙問題のみならず、長文を読解する際にも役立っています。
前回2023―2の英検1級の一次に向けては、「でる順パス単」以外にはReading 対策として特に準備はしませんでしたが、語彙問題は25/25でReading正当数は は39/41でした。

Readingについては、日ごろから英検を意識せずに、Daily Mainichi やEconomistやForeign Affairsの記事を少しでも多くという気持ちで読むようにしています。

さて、Writingですが、English Composition の配点が高いですね。ちょっとでもうまく書けるとかなり高いスコアが期待できます。私は60歳をすぎた頃は、何の準備もせずに会場に行って、ぶっつけ本番で書いていましたが、「面接大特訓」(Jリサーチ出版)に出会ってからは、そこで示されているような構成や書き方に倣って書くようにしています。

スコアも740~750も超えるようになってきました。面接大特訓については、一冊目はボロボロに擦り切れるくらい、手の汗や垢の臭いが染みついて漂ってくるくらいに使い倒しました。一次、二次の3日、4日前にさっと音読することで覚えた内容や表現をリフレッシュできるくらいになっています。現在は二冊目の新しい版を購入して使っています。

しかし、この3年間くらいは「英作文問題完全制覇」(ジャパンタイムズ&ロゴポート)を愛用しています。音読練習、書き取りだけでも4回はやりました。繰り返しやっていると、同じような英文でもその時々英文の風景が違って見えてきます。

前回の学習で気づかなかったことに新たに気づいたりします。「でる順パス単」にしても「英作文完全制覇」にしても毎日、声に出したり、書いたりしていると、自然に口が動いたり指が動いたりするものです。これが体で覚えるってことなのかなと感じる瞬間があります。

英検1級を受けようとする方に、どのような参考書をお使いですかと尋ねると、かなり多くの方が上の二冊を挙げてくれます。ただレッスンの中でその二冊に載っているような内容にかかわって英語で質問してみると、意外と身についていないのではないかと感じさせられることがあるのです。「やった」と「身についた」は違うのですね。

「面接大特訓」にしても「英作文完全制覇」にしても、一次、二次の両方に有効だと思います。

エッセイライティングや二次のスピーチのお題として出題されそうなものは決まっているような感じがします。「面接大特訓」をしっかりやっていけば大丈夫ですよと助言すると、それだけでは不十分だという声もよく聞こえてきます。

私からすると、同じテーマがちょっと問い方を変えて出題されているにすぎないように思えるのです。「英作文完全制覇」の後半のモデルサンプルのaffirmative/ negative のいずれかに絞ってそれを集中的に覚えていけばいいという方もいらっしゃいます。

それはそれで結構かと思いますが、私は両方の立場をしっかり理解して内容(ポイント)と英文をreproduce する練習をしています。両方の立場をしっかり理解して練習しておけば、面接などで問われ方が変わっても対応できそうです。

「確かに●●であるのですが~」と反対の立場に掲げられていたポイントに言及しながら意見を述べることもできそうです。

 エッセイでも二次のスピーチでも言えることですが、本番になると頭が真っ白になって何を理由に挙げるべきか思いつかないという声も耳にします。私もしっかり備えたつもりでも同じようなことを経験したことがあります。

そのようなことを避けるために、私はeuthanasia のテーマだったなら、延命機器、家計や国庫にかかってくる費用などを漫画化したイメージを空白に描いたり、英文を覚える際にもその情景を焼き付けながら練習するようにしています。テーマを目にしたり耳にした時に、関連イメージが想起され書きやすくなったり話しやすくなったりします。

最後に、リスニングは私の一番苦手な部分です。毎日、National Public Radio というアメリカのポドキャストを流して聴いたりしています。時々通訳ガイドで海外からの旅行客の案内もしているのですが、そのような場面では英語の聴き取りに関して「困った感」はないのですが、こと英検の一次になるといつも悲惨な目にあっています。

集音機が必要なくらいに聴力も低下してきてもいるのですが、緊張しすぎて音がしっかり聞き取れないこともあります。設問や選択肢が頭に入っているか否で、聴き取りの度合いも変わってくることが分かってきたので、一次試験前には過去問のリスニング問題のスクリプトをそれぞれのpartを3分で読む練習をして備えています。そうすることで、リスニングが始まる前などに先読みがわずかながらできるようになってきた感じがします。

この一年間、一次試験については3回とも合格していますが、2022年度の第3回の二次では、合格した時と同じくらいに話せたつもりでしたが不合格でした。Globalization について生意気な意見を言ってしまったのか面接官の癇に障ったかなと思ったりもしました。

今回も2023年度最後の英検を受けます。何度受けても試験前はワクワクします。私の干支のウサギ年は終わってしまいましたが、次の干支歳が巡ってくるのはまだずっと先です。それまで英検を楽しんでいられるかは分かりません。体力と気力があるうちは Age is just a number.を示していければ幸いです。

とりあえず通算18回合格を目指して頑張ります。今回、英検を受検される皆様、共に最後まで粘り強く頑張っていきましょう。皆様にとってよい年になることを祈っています。

(とりとめのない駄文を連ねてしまいました。年寄りの戯言とご笑覧ください。)     

 長野市 大内 徹 全国通訳案内士(英語) オンライン英会話 Native Camp 講師 Toru トオル)

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山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算87回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

山中昇プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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