英検1級道場-淵上理音さん―小学4年生、1級合格までの道のり 奮闘記③ 1級合格
2年近くレッスンを続けてきた小学2年生が、1月7日でしばらく(英会話はネイティブについて続けるものの)私との英検2級レベルのレッスンは(読む、書く、聞く)いったん中断し、日本語レベルをしっかりさせることになりました。
この半年、得意なリスニングを解かせても答えられないケースが増えてきていたので、原因を様々な観点から調べたところわかったことがあります。
〇本人が頭の中でイメージできる内容は、4択からたちどころに正解を選ぶことができる。
〇日本語で聞いてもわからないことは、すなわち本人が理解できないこと、経験したことのないことは単語は聞き取れても、内容が理解できないので選択肢を選ぶことができない。
〇選択肢の表現が難しい場合に、選択肢が理解できない。
〇テキストを音読させると完璧に音読できるが(一部の知らない単語を除いて)そのことと意味を理解しているということと一致しない。音読はできるが実は意味がわかっていないということが他の受講生全般にも見られ、この点には注意する必要がある。音読ができるので内容が理解できていると思いきや、実はそうではない。
〇意味を解説し、本人が話の内容が理解できたら立ちどころに正解を選ぶことができる。
理解できない内容は、例えば町の不動産屋に夫婦が訪ね、今の家を売って新しい狭い家に住み替える、不動産価値が2割上昇したのでかなり質の高い(狭い)家を買うことができる。
という話があるのですが、本人には理解することができない。住んでいる家をなぜ売らなければいけないのか、そもそも不動産価格が上がるということがどういうことなのか、2年生にはわからないのです。
英検2級は高校卒業レベルです。それを小学2年生が解こうとするのですから、わからないことがあるのは当たり前のことです。彼女はまさにこの点で行き詰っているわけです。
解決方法は一つしかありません。年齢を重ねて、社会のしくみなどを学習することです。
すなわち、英語の理解度の問題ではなく、1人の人間としての成長過程でおこる当然発生する問題なのです。
これは大人でも当てはまる問題です。大人でも自分が経験したことがない話や専門外の話になると、まったく同じ現象が起こっていることに気がつきます。
まとめると
”英語の達人になるには、日本人として幅広い教養・常識を身につけることが必要” なのです。
1月7日でレッスンを終わる小学2年生のことを考えながら書いています。