英検1級道場-一文がやたら長い英文解釈はこうします―ニューヨークタイムズ記事の実例②
The United Nations 日本語で国際連合。国連と表記されます。
しかしこの訳は、私は意図的な誤訳だと感じています。
これは本来、言葉の正しい意味で連合国(軍)と訳すべきです。
国連の公式ウエブサイトは、公用語である6か国語で構成されています。英語、中国語、ロシア語、フランス語、スペイン語、アラビア語。
ちなみに、中国語のページをみると、漢字は違いますが、言葉の正しい意味で”聯合国”となっています。
国際連合と聞くと、いかにも平和の象徴のようなニュアンスを感じるのですが、本来の意味は、日独伊 枢軸国を軍事力で叩き潰した連合国52か国が、戦後の国際秩序を守るために作った組織が The United Nations です。
私は以前、国連英検という試験を受け、特A級に2回連続合格しています。
配点の約15%は、国連に関する知識です。
国連憲章(Charter of the United Nations)を隅から隅まで読む必要があります。
多くの発見がありましたが、最たるものは、国連は平和の組織ではなく、元々は軍事的な集まりなのです。
例えば、加盟国の中でいうことをきかない国があれば、総会の決議で当事国に注意を喚起します。
言うことを聞かなければ、経済制裁を食らわします。それでも言うことを聞かなければ、加盟国が軍事力を提供して連合国軍を作り、その国に軍事的な圧力を加える(戦争を始める)と国連憲章にちゃんと書いてあります。
すなわち、日本は、国連憲章に従うことができません。憲法9条があるから、海外に派兵できないからです。
日本は、今の憲法である限り、国連軍に参加することはできません。つまり、極端に言えば、国連中心外交は、今の憲法である限りできないのです。
更に、国連憲章には、敵国条項というものがあり、名前は書いてありませんが、ドイツ、イタリア、日本がその対象となる敵国です。
私たちは、国連を語るときには、このような事実に基づいて国連というものを正しく認識する必要があります。
学校では、国連は、平和の組織だと教えられますが、事実とは異なります。